最近、中国西北部で流行っている「椒麻鶏」

「あらっ、意外と見た目は地味。でも、ピリッとスパイシーな味付けがおいしい」。2015年の秋、陝西省の古都、西安で中国人の友人と一緒に念願だった「椒麻鶏(シューマージー)」を食べました。その頃、すでに「椒麻鶏」は流行っていたので、私の“初”椒麻鶏は、かなり遅かったはずです。2018年3月、北京の新疆料理のレストランでまた、椒麻鶏を食べました。このころには北京でも椒麻鶏は、すっかり定着していました。椒麻鶏が、いつ頃から流行りだしたかはよくわからないのですが、西北部のレストランでは、2012、13年頃から「椒麻鶏」の三文字を見かけることが増えてきたように思えます。

北京の新疆料理のレストランで食べた椒麻鶏。椒麻鶏には葱は欠かせない 北京の新疆料理のレストランで食べた椒麻鶏。椒麻鶏には葱は欠かせない

西北部の鶏肉料理と言えば、「大盤鶏」!

中国西北部一帯で一番メジャーな鶏肉料理と言えば、「大盤鶏(ダーパンジー)」です。鶏肉のぶつ切り、ジャガイモ、ピーマンなどを豆板醤と一緒に炒め煮した料理です。もともとボリュームがある料理なのに、半分ほど食べたら、幅広の手打ち麺を加えます。そのため巨大なお皿で出てくるので「大盤鶏」です。「椒麻鶏」は、今、大盤鶏と並んで人気がある料理です。特に西北部で人気が高く、しかも鶏肉料理です。西北部と言えば、ウイグル族や回族などのイスラム教徒が多く住んでいます。椒麻鶏は、宗教上の理由から豚肉を食べないイスラム教徒が始めた料理かもしれないと思っていました。中国の検索サイト「百度」で調べてみると、違うことが判明。椒麻鶏は、もともとは四川料理でした。

中国のシルクロードを代表する大盤鶏。麺以外にナンを加える大盤鶏も定着している 中国のシルクロードを代表する大盤鶏。麺以外にナンを加える大盤鶏も定着している

西北部で人気の椒麻鶏の作り方

椒麻鶏ですが、初めて食べた時、「熱々じゃない」とびっくりしました。大盤鶏とは異なり、常温で食べる和え物です。「椒」は、花椒と胡椒、「麻」は胡麻油です。ゆでた後、おおざっぱに裂いた鶏肉を花椒(油)、胡椒、生姜、鶏肉のゆで汁を加えた胡麻油であえると、椒麻鶏になります。作り方が何通りもあり、地方差があるに違いないですが、新疆ウイグル自治区や陝西省などの西北部で大流行している椒麻鶏は、花椒がピリッときいたスパイシーな和え物です。辣油は入っていないので、辛いと言うよりも花椒がいいアクセントになっています。

陝西省西安で食べた椒麻鶏。見た目のインパクトは、大盤鶏には遠く及ばない 陝西省西安で食べた椒麻鶏。見た目のインパクトは、大盤鶏には遠く及ばない

主役にはなれないけれど、みんな大好きな椒麻鶏

西北部や沿岸部の大都市の新疆料理のレストランに行くと、今や椒麻鶏は、すっかり定着しています。個人的には大好きなのですが、椒麻鶏の見た目はちょっと地味。しかも熱々のおかずではなく、和え物です。主役のおかずと言うには弱い。大盤鶏と並ぶ人気鶏肉料理なのに大盤鶏を越える日は、どうも来ない感じがします。でも、重要な位置をしっかりキープ。メイン料理にはなれないけれど、みんなが注文している。椒麻鶏って、そんな料理です。2018年中国に行ったら、西北部風の椒麻鶏を食べてみませんか! きっとはまりますよ!