組み合わせの妙が美味しい蛋菜夾モー!

揚げ卵とゆで卵の黄身、ピリ辛のみそ、漬物、ピーナッツを素焼きのパンに挟んだ「蛋菜夾(ダンツァイジャー)モー(食へんに莫)」は、とにかく重い。でも全部食べずにはいられない。全体の味を濃厚にするゆで卵の黄味、そこにピーナッツを加えると、ザクザクした食感になり、感動的に美味しい。味も食感もパーフェクト! この組み合わせを考えた人は、天才です。私が初めて蛋菜夾モーを食べたのは、2015年11月。中国の古都、陝西省西安の回民街の中心部から1キロ以上も離れた洒金橋で見つけました。2年に一回ぐらい西安に通ってますが、10年前に蛋菜夾モーを見た記憶はありません。その頃は、まだ、なかった気がします。

5種類の具の全てが互いを高めあっている蛋菜夾モー 5種類の具の全てが互いを高めあっている蛋菜夾モー

肉夾モーは、元祖西安版ハンバーガー!

素焼きのパンのモーは、西安の主食のひとつ。素焼きなので表面がサクッと美味しい。粉の味のみなので、どんな具と組み合わせても邪魔しません。このモーに肉や野菜などの具を挟んだものは、西安版ハンバーガーです。ダントツで有名なのは、やはり「肉夾(ロージャー)モー」と呼ばれる、トロトロに煮込んだ豚ばら肉を挟んだものです。肉夾モーの次に有名なのは、宗教上の理由から豚肉を食べない回族が作る「臘牛肉夾(ラーニュウロウジャー)モー」です。あっさりと煮込んだ牛肉を挟んだもので、こちらも美味。この二つは、定番中の定番ですが、西安版ハンバーガ―は、まだまだあります。

今や中国全土で食べられると言ってもいいほど人気の定番、肉夾モー 今や中国全土で食べられると言ってもいいほど人気の定番、肉夾モー

ちょっと珍しい西安版ハンバーガーも食べてみよう!

2017年秋は、蛋菜夾モーに押され気味なのか、見かけませんでしたが、2010年頃は「孜然肉夾(ズーランロージャー)モー」が大流行。孜然粉は、中国西北部では肉料理に必需のスパイスです。この孜然粉をきかせて炒めた豚肉とピーマン入りの孜然肉夾モーの屋台が多く、若者に大人気でした。もう一つ「花干夾(ホアガンジャー)モー」もこの頃に初めて食べました。小麦粉のグルテンで作った練り製品をスパイシーな真っ赤な汁で煮て、モーに挟んだものです。肉入りのモーよりお安く、ボリュームがあって、しかも美味しい。今でも美食街の一番にぎやかなところからちょっと外れたあたりで健在です。

巨大な鍋で煮ているのが花干。串にさして焼いた花干も人気なので、花干夾モーの人気も衰え知らず 巨大な鍋で煮ているのが花干。串にさして焼いた花干も人気なので、花干夾モーの人気も衰え知らず

どんどん種類が増えて行く西安版ハンバーガー

西安版ハンバーガーですが、まだまだあります。小さな蒸籠で蒸した、ピリ辛の豚肉を挟んだ「籠籠肉夾(ロンロンロウジャー)モー」。花椒入りの小麦粉をまぶして蒸した羊肉を挟んだ「粉蒸肉夾(フェンジョンロウジャー)モー」。2017年秋は、「潼関肉夾(トングァンロージャー)モー」の看板をよく見かけました。以前はなかった西安版ハンバーガーが、また登場してきました。西安って、粉もの好きが初めて行くのなら、種類がありすぎて、どれを食べるか決めるのが大変です。リピーターなら、もう一回食べたいのがあるのに、新しいのを発見して、それも食べたくなってしまう。西安って、粉もの好きにとっては、本当に悩ましい町です。

2010年頃、粉蒸肉夾モーは夕方以降しか食べられなかった。当時、粉蒸肉が夜のおやつだったので、売り出し開始時間が夕方だった。観光地化した2018年の回民街では昼間でも食べられる 2010年頃、粉蒸肉夾モーは夕方以降しか食べられなかった。当時、粉蒸肉が夜のおやつだったので、売り出し開始時間が夕方だった。観光地化した2018年の回民街では昼間でも食べられる