日本に似た食べ物が見当たらない「涼皮」

口がひりひりするぐらい辛くて、つるんとした食感の「涼皮(リャンピー)」は、本当に美味しい。30代の頃は、中国に行くと、ほとんど毎日、午後のおやつに食べていました。そんなに食べ続けても、全く飽きない。滞在する町が変っても、涼皮は、毎日食べられます。それぐらい中国のどこに行っても見つかる食べ物です。涼皮は、「小吃(シャオチー)」と呼ばれる軽食やおやつの一種です。「日本に似たような食べ物がある?」と聞かれると、難しい。食のジャンルの一つにもなり、一大勢力を築いている涼皮ですが、日本には、涼皮にあたる食べ物がないのでは? かなり無理して「ところてんのようなもの」と説明する時があります。

甘粛省蘭州で食べた涼皮。西北部の甘粛省も涼皮の本場のひとつ 甘粛省蘭州で食べた涼皮。西北部の甘粛省も涼皮の本場のひとつ

涼皮の発祥の地は、やはり陝西省西安?

涼皮は、中国のどの町で食べても、辛くて酸っぱい味です。「芝麻醤(ジーマージャン)」と呼ばれるゴマダレは、場所により、入ったり、入ってなかったりしますが、基本は辛くて酸っぱい味。こういう味付けを好むのは、中国の西北部です。涼皮は、西北部が発祥の地と言うのは、なんとなくわかります。西北部は、シルクロードの玄関口にあたる陝西省西安から始まります。西北部なら陝西、青海、甘粛、新疆のどこに行っても涼皮はあります。B級グルメ天国の西安あたりが発祥の地の本命? 5月15日、中国のニュースサイト「今日頭条」を読んでいると、中国人も「涼皮は、どこが発祥の地?」と言う私と同じ疑問を持っていたことがわかりました。

涼皮の上にかかっているのは、「油溌辣子(ヨウポーラーズ)」と呼ばれる辣油。見た目ほどは辛くはない 涼皮の上にかかっているのは、「油溌辣子(ヨウポーラーズ)」と呼ばれる辣油。見た目ほどは辛くはない

涼皮発祥の地は、陝西省の関中!

涼皮発祥の地は、中国でも陝西省だと思っている人が多いようです。中国の検索サイト「百度」で調べてみると、発祥の地は、陝西省になっていました。南北に長い陝西省の中でも「関中」と呼ばれる中心部が発祥の地です。涼皮には、緑豆や米を使ったものもありますが、主な原料は小麦粉です。米を使ったものは、「米皮(ミーピー)」と呼ばれ、陝西省でも四川省と接した南部の漢中で食べられています。陝西省でも中部から北部は、小麦粉を主食としています。涼皮発祥の地は、小麦粉を主食とするところで、都の西安があるので豊かな食文化を持った関中だと言うのは、納得です。

陝西省南部の勉県で食べた米皮。もちもちの食感が美味しい 陝西省南部の勉県で食べた米皮。もちもちの食感が美味しい

見た目は違っても、酸っぱくて辛い味付けは、全国共通!

涼皮は、陝西省関中から西北部だけでなく、山西、河北、北京にも広まっていったようです。どこで食べても、酢、しょうが、にんにく、花椒を使った辛くて酸っぱい味と言うのは、共通しています。一緒に食べる野菜は、きゅうり、大根、もやしといろいろです。味付けは似ていても、使う野菜が異なると、見た目が全然違ってきます。だから初めて訪れた町で涼皮を食べる時、わくわくします。涼皮は、主食でもなく、肉も使っていないので、その町を代表する名物料理と言うには、ちょっと弱い。でも、その町の人ならみんな大好き。そんな食べ物です。グルメというよりもプチグルメ。中国で涼皮を見つけたら、食べてみませんか!

湖南省長沙で食べた涼粉。こちらは緑豆でんぷんが主要原料。涼皮や涼粉は、中国人、特に女性の大好物 湖南省長沙で食べた涼粉。こちらは緑豆でんぷんが主要原料。涼皮や涼粉は、中国人、特に女性の大好物