青海省名物と言えば、羊と粉もの!

とろとろ豆腐にお醤油味のあんをかけ、辣油をたらした豆腐脳(トウフナオ)、激辛の羊の腸詰めをのっけた羊腸麺(ヤンチャンミェン)、ちぎった麺を炒め煮にした炒麺片(チャオミェンピェン)、そして脂の焼けるにおいがたまらないカオ(火へんに考)羊肉(ヤンロウ)。羊と主食の粉もの料理を食べたいなら、ここに来さえすれば、何でもそろっています。露店で売られている、もったり濃いお碗入りヨーグルトも必食のデザートです。ここは青海省の省都、西寧の顔と言ってもいい屋台街、水井巷(シュイジンシャン)です。標高2275メートルの高地にある西寧は、夏は涼しいですが、冬は零下10度を下回る日が続くような寒いところ。そのかわり体があったまる名物料理が、どれもこってりと本当に美味しい。

青海省の名物料理でもあり、家庭料理でもある麺片。一口大にちぎった麺がちょっぴりイタリア風? 青海省の名物料理でもあり、家庭料理でもある麺片。一口大にちぎった麺がちょっぴりイタリア風?

内陸部なのに日本人旅行者が妙に多い、西寧

青海省は、中国の西から2番目にあり、面積のわりに人口が少ないところです。沿岸部から思いっきり離れた内陸部なのに、なぜか日本人旅行者の姿が目につきます。西寧は、青蔵鉄道に乗って、チベットのラサを目指す人が集まってくるところでした(現在は、外国人旅行者は個人でチベットに行くことはできません)。チベットに行く際の経由地だから来ているのではなく、青海省と西寧が好きだから来ているという日本人もいます。私もそのひとり。90年代の西寧と言えば、高層ビルも数少ない田舎でした。古い建物が多く、一見、陰気くさい街並なのに、歩くと、妙に活気がある不思議なところです。その活気は、町にいたるところに出ていたシシカバブの屋台と屋台街から出ていました。

西寧を代表する屋台街「水井巷」。西寧の食は、イスラム教徒の回族ぬきでは語れない。水井巷は、イスラム教徒の回族料理が集まったところでもある 西寧を代表する屋台街「水井巷」。西寧の食は、イスラム教徒の回族ぬきでは語れない。水井巷は、イスラム教徒の回族料理が集まったところでもある

90年代と2000年代の水井巷

西寧を代表する屋台街は、西門にある「水井巷(シュイジンシャン)」です。全長400メートルほどのアーケード街でずらーっと名物料理を出す食堂と土産物屋さんが並んでいます。90年代からアーケードでしたが、当時は地元向けの市場でもあり、野菜や肉、スパイスを売るコーナーがありました。ただ、2010年以降、多くのお店がチベットの土産物店に変ってしまいました。観光地化されたものの西寧名物の屋台や食堂は健在です。メインのアーケード街の西側は、小さな食堂がひしめきあっているところ。ここに行けば、豆腐脳、カオ羊肉、炒麺片、羊腸麺、1人鍋の砂鍋など、なんでもそろっています。しかし、90年代からの水井巷ファンからすれば、今の水井巷は、きれいになりすぎました。しかしもう一つの屋台街が、昔懐かし感を残したままでパワーアップしています。

水井巷と並ぶ人気屋台街の莫家街。今も市場の雰囲気が残っている 水井巷と並ぶ人気屋台街の莫家街。今も市場の雰囲気が残っている

昔懐かし感が漂う莫家街美食街

それが「莫家街(モージャージエ)」です。こちらも西寧の中心部ですが、水井巷より東側。水井巷と違い、莫家街は屋根なし。細い路地に屋台がつめつめに並んでいます。扱っている名物料理は、水井巷とほぼ同じ。ただ、「リャン(米へんに良)皮(ピー)」と呼ばれる青海版ところてんの屋台が水井巷より多いかもしれません。小麦粉で作った生地を麺状に切って、辣油、黒酢、しょうが、にんにくがきいたタレをかけて食べる名物料理です。青海省の隣の甘粛省が本場かもしれませんが、西寧でも大人気。冷たいおやつですが、青海や甘粛の人々の大好物。零下の日でもガンガンに売れています。ここに来れば、青海の食文化がちょっとわかった気になります。莫家街も西寧の羊と粉もの文化を満喫できるところです。西寧でごはんを食べるなら、水井巷か莫家街に行きませんか! 羊と麺が大好きなら、はまりますよ!

青海っ子の好物のリャンピー。もったり重くて、つるんとした生地が美味しい 青海っ子の好物のリャンピー。もったり重くて、つるんとした生地が美味しい