麺をぐっとおいしそうに見せる緑と赤の食材

ピーマンの緑、トマトの赤! この二色が入ると、麺がぐっと美味しそうに見えます。初めて寧夏回族自治区の銀川で「青拌麺(チンバンミェン)」を前にした時、新疆ウイグル自治区のラグメンに似ていると思いました。新疆ウイグル自治区は、中国の一番西の端にあり、少数民族のウイグル族が多く住んでいます。ラグメンは、ウイグル族が1日1回は食べないと何か忘れ物をしたような気になるというほど重要な民族料理です。トマト、ピーマン、白菜、羊肉の炒め煮を手打ち麺と混ぜて食べます。寧夏回族自治区は、新疆ウイグル自治区の東側にある甘粛省の北側にあります。寧夏の青拌麺もトマトやピーマンが入った野菜炒めを手打ち麺と混ぜて食べます。トマトのほど良い酸味がきいた具と麺が美味しかったです。

青拌麺。新疆に行ったことがある日本人は、みんな大好きといってもいいラグメンに見た目も味もそっくり。ラグメンファンなら好きになる味 青拌麺。新疆に行ったことがある日本人は、みんな大好きといってもいいラグメンに見た目も味もそっくり。ラグメンファンなら好きになる味

日本人には知られていない寧夏回族自治区とは?

あまり聞きなれない寧夏回族自治区は、甘粛省の一部と言ってもいいぐらいこじんまりしています。首府の銀川は、タングート族が築いた西夏の首都だったところです。チンギスハンに滅ばされるまで草原に存在した王国は、まさにシルクロードのロマンそのもの。銀川郊外にある西夏王陵を見るために寧夏にやって来る旅行者はいますが、新疆ウイグル自治区や甘粛省と比べると、かなり少な目。そのため、寧夏のごはん情報もあまり入ってきません。実際に銀川滞在中に食べた郷土料理の麺の美味しさにびっくりでした。寧夏って、こんなに麺が美味しいところだったとは!

銀川旧市街の郊外にある海宝塔。五胡十六国時代の5世紀初頭に建てられた。現在、建っているのは18世紀末の地震の後、再建されたもの 銀川旧市街の郊外にある海宝塔。五胡十六国時代の5世紀初頭に建てられた。現在、建っているのは18世紀末の地震の後、再建されたもの

中国で麺が美味しいと言われるところ

中国では、麺が美味しいところと言えば、山西省と陝西省です。山西省は、刀削麺の発祥の地でもあり、麺のふるさととも言われています。陝西省西安は、少数民族の回族が作る麺が美味しいことで知られています。陝西省のお隣の甘粛省は、2017年に東京神田に進出した蘭州ラーメンの本場です。「牛肉麺(ニュウロウミェン)」とも呼ばれる蘭州ラーメンが生まれたところだけあって、麺の美味しさは保証付です。甘粛省の西側、青海省も麺の種類は、多くはないものの、干拌、麺片など美味しい麺が豊富。さらに西の新疆ウイグル自治区もウイグル族が打つ手打ち麺が美味しい。中国西北部なら、どこに行っても麺は、はずれなしなのです。

銀川郷土料理の「糊ボー」。河南省洛陽にも粉もの生地を使った料理があるが、銀川のものは、トマト味 銀川郷土料理の「糊ボー」。河南省洛陽にも粉もの生地を使った料理があるが、銀川のものは、トマト味

美味しい麺があるところには、イスラム教徒が住んでいる!

中国西北部の美味しい麺を作っているのは、主にイスラム教を信仰する回族やウイグル族です。イスラム教徒が多い土地は、麺が美味しいって言えると思いません? 寧夏回族自治区の麺が美味しいのも不思議じゃないのですが、旅行者が少ないので、評判にならないだけじゃないかしら? 銀川で二日目に食べた「ツアン(人の下に水)麺」は、一口大にちぎった麺と春雨を肉だんごと一緒にトマトスープで煮たもの。ボリュームがあるのに、さっぱりしたスープなので、重くなりすぎず美味しかったです。三日目に食べた「糊ボー」は、小麦粉で作ったクレープのようなものを細く切って、焼きそばのように炒めたもの。重めの麺とトマト、やや辛目の味付けが相性ばっちりでした。有名グルメと言うよりも地元の人だけが知っている寧夏の美味しい麺を食べに、機会があれば、銀川に行ってみませんか!

トマトスープが美味しい「ツアン麺」。西北部では一口大にちぎった麺は、珍しいないが、春雨と肉だんごと一緒に煮たものは、珍しい。銀川では、いちおしの麺料理 トマトスープが美味しい「ツアン麺」。西北部では一口大にちぎった麺は、珍しいないが、春雨と肉だんごと一緒に煮たものは、珍しい。銀川では、いちおしの麺料理