ロシアの影響が残っている新疆の町

標高が高い場所独特の真っ青な青空と吸い込まれそうな青い湖、サイラム・ノールの風景です。「サイラム・ノール」はモンゴル語で「屋根の上の湖」という意味です。中国では「賽里木(サリム)湖」と呼ばれています。サイラム・ノールへは中国の一番西にある新疆ウイグル自治区の伊寧(イーニン)から鉄道かバスで行きます。伊寧はイリ・カザフ自治州の州都です。19世紀末には一時的にロシアになったこともあり、町には今もスターリンの名前をとった通りが残っています。少数民族のウイグル族も多く、異国情緒満点の素敵な町なのに、日本人をあまり見かけません。

吸いこまれそうな青い湖に感動!新疆ウイグル自治区伊寧(イーニン)の旅 吸いこまれそうな青い湖に感動!新疆ウイグル自治区伊寧(イーニン)の旅

伊寧に行く日本人旅行者が少ないのはどうして?

80年代に放送された「NHKシルクロード」の影響が強く、今でも新疆ウイグル自治区は日本人の中高年旅行者に人気があります。しかし、そのほとんどがトルファン、カシュガル、和田に行きます。カシュガルや和田は天山山脈の南側にある南疆です。「NHKシルクロード」の世界そのままの乾いた大地が広がっています。伊寧は省都のウルムチより北にある北疆です。南疆より雨が多く、緑豊かな草原旅情を楽しめます。これがシルクロード好きの日本人のツボとずれているようです。また、トルファン、カシュガル、和田は同じ路線上にあるので、はしごして観光もできます。伊寧はこの路線からも外れています。

サイラム・ノールだけじゃない伊寧観光

日本人旅行者が少ないとはいっても、伊寧郊外の見どころはサイラム・ノールです。伊寧からサイラム・ノールへはバスで約2時間半です。途中には「恵遠城」もあります。恵遠城は乾隆28年(1763年)に建設された当時の政治、軍事の中心です。恵遠城を通り、カザフ族の集落を過ぎれば、サイラム・ノールに到着です。東西30キロ、南北25キロ、周囲90キロと呼ばれる大きな湖です。この世のものとは思えない紺碧の湖の向こうには万年雪を頂いた雪山があります。いつのまにか静かで神聖な世界に引き込まれている聖地のようなところです。

伊寧っ子おすすめのウルムチから伊寧への道

サイラム・ノールを見ただけで私は満足でしたが、伊寧っ子にまちがいを指摘されてしまいました。伊寧へ行くにはウルムチから鉄道かバスです。どちらも夜11時頃ウルムチを出発して、翌朝8時頃伊寧に到着します。私は自由にトイレに行ける寝台列車にしました。これがまちがいでした。バスで行くと、朝6時頃サイラム・ノールのそばを通ります。伊寧っ子は青いサイラム・ノールを見ると、「伊寧に帰ってきた」という気持ちになるそうです。「朝6時じゃまだ、陽が昇ってないから、湖の青は見えない」と言いたくなりましたが、やめました。サイラム・ノールは伊寧っ子にとって、ふるさとと同じなんですね。伊寧に行くなら、サイラム・ノールははずせません!