伊寧の見どころは、どうしてそんなに遠い

伊寧が、旅行者にいまひとつ人気がない原因のひとつは、市内中心部にみどころが少ないからかもしれません。伊寧は、中国の最も西側の新疆ウイグル自治区の中でも、かなり西にあります。同じく西にあるカシュガルは、外国人にも中国人旅行者にも人気があります。カシュガルは、新疆に多く住んでいるウイグル族の古都であり、バザールの規模も大きく、香妃廟、班超記念公園など、見どころが詰まっています。伊寧の一番の見どころは、サリム湖です。中国で最も標高が高い2073メートルの場所にある、真っ青な色が美しい湖です。でも、伊寧から130キロも離れています。こんなに遠くても、伊寧の郊外ということで、伊寧の見どころになっています。

恵遠古城の鐘楼がある中心部は、徒歩で充分見学できる。こんな家が並んでいる。 恵遠古城の鐘楼がある中心部は、徒歩で充分見学できる。こんな家が並んでいる。

旅行者に人気がある天山南路、人気がない天山北路

伊寧は、新疆ウイグル自治区を東西に走る天山山脈の北側にあります。旅行者に人気が高いのは、天山南路と言って、天山山脈の南側に位置するトルファン、クチャ、カシュガルなどです。こちらは、ゴールデンウイーク頃から10月頃まで、中国だけでなく世界中から旅行者が集まります。こちらのほうが交通の便がいいのもその理由のひとつですが、旅行者がイメージするシルクロードが見られるのも、こちら側だからです。砂漠や日干し煉瓦の家などが、まさにそうです。伊寧は、西安からローマまで続くシルクロードに属してますが、新疆にしては雨が多く、水に恵れた緑豊かな風景が広がっています。

伊寧に影響を与え続けた大国

18世紀末、わずか10年ほどですが、伊寧は一時期、ロシア領でした。その後もロシアと国境を接しているのでロシアの影響を受け続けました。伊寧中心部には、ロシアの田舎風とも言えるカラフルな洋館が残っています。これが伊寧市内観光の目玉です。市内観光の後は、伊寧から北に約50キロのところにある「恵遠古城(ホイユェングーチェン)」に行ってみませんか。ここは、清朝の乾隆帝の時代、将軍を派遣して、新疆の経営の中心としたところです。今も中国風の鐘楼が残っています。この周辺が意外とおもしろいのです。

恵遠古城に日帰りで行ってみよう!

恵遠古城の真ん中にある鐘楼は、まさに漢民族の世界ですが、その周辺には、赤、紫、ピンクといった鮮やかな色あいの洋館が並んでいます。その中にモスクも混じっています。鮮やかな色合いの洋館は木造と石造りで、ロシアの田舎風と言ってもいいような素朴な雰囲気です。このような洋館は、伊寧市内中心部でも見られますが、恵遠古城のほうがコンパクトにまとまっています。恵遠古城って、漢民族風、イスラム風、ロシア風の建物がぎゅ〜っと詰まった場所です。恵遠古城には、伊寧市内の大世界バスターミナルからミニバスが出ています。満員になり次第出発のミニバスで、約1時間で到着です。たった1時間なので余裕で日帰りできますよ。