胸に吸い込む香り

「ザ・エイス・エステイト・ワイナリー」のホームページで醸造所内の写真は見ていましたが、写真からは決して伝わらなかったことが、実際に室内に入ってみて初めてわかりました。それは、樽の香り、ぶどうの香り、そして湿気です。それら視覚以外の刺激が、肌にぴたりと貼り付いてくるような感覚にとらわれ、また一つ香港のおもしろい場所を知ったということに一人で悦に入りました。

香港初にして唯一のドメスティックワイナリー見学へ(後編) 香港初にして唯一のドメスティックワイナリー見学へ(後編)

いよいよショッピング。ワインの説明を受けます

もちろん、この満足感を形にするには、ワインを買うしかありません。事務の女性にあれこれと質問してみます。「重めでフルーティーなタイプが好きですが、どれがいいですか?」彼女はよどみなく答えてくれます。「我が社のカベルネは、スムースです。一方グルナッシュのものは、2010年のボトリングで、新しめですが、すでにタンニンはこなれ、熟成感たっぷりです。」グルナッシュにキマリです。デザートワインも買ってみることにしました。デザートワインは3種類あり、一つはストロベリーのような風味、もう一つはりんごのような風味、最後の一つはチョコレートやムースのような重めな風味、と説明され、私は最後の一番重いタイプを選びました。ちなみに事務の女性の好みはストロベリーの風味のものだとか。

ワイナリー応援のつもりで4本購入!そのお味は

見学はごく短時間だったし、テイスティングも一切せずに買い物をしたのですが、不意の来客に対する彼女の商売っけ抜きの真摯な対応と、自社製品へのプライドと愛情に感動したひとときでした。応援のつもりで4本買いました。ここのワインが評価されて世界のレストランに並ぶ日を夢見て。楽しみに持ち帰ってきたグルナッシュの赤は、封を切った当座は甘過ぎてフルーツっぽさが強すぎる気がしましたが、時間が経つにつれもったりとした重さが出てきました。デザートワインの方も、若干甘さが立っていましたが複雑さのあるワインでした。

これから期待される香港ワイン市場

2008年に、それまでワインに40%かかっていた酒税が0%になったことから、香港ではワインの経済効果にますます期待がかかっているそうです。けれども、香港の中だけで消費されるには惜しい話題性と実力を兼ね備えたワインです。まだまだ日本では知名度の低い、「香港初にして唯一のワイナリー」を、是非訪れてみてください。行くことが叶わない方は、ホームページからオンラインで注文することもできますよ!