香港ではスープと麺が別々に出てくる「撈麺」が人気です

食の都・香港でも人気の高い「麺」料理。でも数日間の旅行では、代表的な麺をすべて制覇するのは難しいですよね。次回の香港旅行では、汁なし麺の「撈麺(ロウミン)」を極めてみてはいかがでしょう。撈麺に使われているのは、鹹水(かんすい)をたっぷり使ったシコシコとした腰の強い麺です。鹹水とは、風味や食感をよくするために用いる食品添加物。日本のラーメンよりもずっとしっかりとした歯ごたえがあります。

見た目は地味だけどしみじみおいしい、香港の「蝦子」 見た目は地味だけどしみじみおいしい、香港の「蝦子」

調味料のように卵をふりかける?

撈麺にはいろいろな種類がありますが、香港人が大好きなのが「蝦子(シャーヅ)撈麺」。乾燥したエビの卵をふりかけただけの、見た目はごくごくシンプルな一品です。砂粒のように小さくて茶色をした卵が、「これでもか」というくらいにたっぷりとふりかけてあります。地味な外見と裏腹に、できたては辺りにエビの香りがぷーんと漂います。乾燥することによって、香りは強くなるのです。

撈麺が来たら、まずは心を落ち着けて……

香りにつられ、箸でつまんで一気にすすり込むと……確実にむせてしまうでしょう。なにしろ蝦子は砂粒みたいに細かいですから、うっかり吸い込んだら大変。ここは落ち着いて、そっとかき混ぜて蝦子と麺をなじませてから、少しずつどうぞ。撈麺は別添えでスープがついてくるので、スープを少しずつ麺にかけてしっとりさせる食べ方もアリですよ。もしくは、つけ麺のように別添えのスープに浸しながら食べる人も。気取らない街角の食堂では、みんな自由に好みの食べ方をしています。日本の蕎麦やラーメンのように、ズルズルッと勢いよくすするという食べ方は、撈麺には合いません。必要なら店主に頼んで、はさみで短く切ってもらってもかまわないのです。

あまりにも豊かなエビの芳香にクラクラ

初めて蝦子撈麺を見たとき、たらこや数の子などの塩漬けの魚卵を連想し、「あんなにたっぷりかけたら、ものすごくしょっぱいのでは?」と怖じ気づきました。けれども食べてみるとしょっぱさはほとんどありません。好きな人には病み付きですが、人によっては「エビ臭い」「金魚の餌のにおいがする」などと言うことも……。蝦子の瓶詰めは手軽なお土産にもなりますが、あげる相手はエビ好きな人にターゲットを絞りましょう!