お料理はおいしいに決まっていますが、ややオーソドックスでした

前編からの続きです。さて、肝心のお料理は……おいしいです。当たり前なんですが。ただ、私の行ったときのメニューは、ややオーソドックスにまとまりすぎているように感じました。薄切りソーセージと薄切りじゃがいものマヨネーズ和えのような前菜(と書くとあまりに庶民的ですが、あくまでわかりやすい表現で……)や、オマール海老の泡立ったブイヤベースなど、どれも安定した味なのですが、驚きは少ない、といった印象です。いろいろな方のブログなど見ると、私のいただいたコースより野心的なメニューがたくさんありました。

オマール海老のスープ仕立て オマール海老のスープ仕立て

70年もののワインに仰天!

私には、むしろお酒の方が印象に残りました。食事が進み、私のことを酒好きと見た担当のソムリエ氏が、「チーズと一緒に、めずらしいワインはいかがですか?」と出してきたラベルを見てびっくり。「1945」と記されています。なんと70年前、第二次世界大戦の終わった年のワインとは! リヴサルトという、糖度の高い超古酒の赤ワインでした。カウンターの向こうから、絶妙のタイミングで勧めてくるソムリエ氏。もちろん、興奮してお値段も聞かずグラスでいただきました。チーズのセレクションも豊富で、なめらかな甘口ワインとぴったり合いました。

香港でフレンチに行く理由とは

日本にも、すばらしいフレンチレストランはたくさんあります。なにも香港旅行に来てまでフレンチレストランを選ぶ必要があるのだろうか、と思われる方も多いでしょう。けれども、香港の一流フレンチは、やっぱり行く価値があると思います。私はラトリエ・ドゥ・ジョエル・ロブション以外にも、二つ星の「カプリス」や「ピエール」にも行きましたが、いずれも独特の華やかさとインターナショナルな雰囲気があり、おもしろいのです。

海外旅行先ならではの楽しみ方もあります

香港のリッチ層、在住のさまざまな国籍の外国人、そして私のようなただの旅行者。おいしい食事はもちろんのこと、そうした周りのお客さんたちの人間観察も一興。香港というグルメの地でどんな時間を提供したいのか、レストランの気合が知れるインテリアや食事のプレゼンテーションもすべてひっくるめて、香港フレンチは楽しいですよ!