豆腐花を食べるなら、まずは「豆腐」の固定観念を捨てて

数ある香港スイーツの中でも、見た目も製法も最もシンプルなものが「豆腐花(ダウフファ)」でしょう。豆腐花とは広東料理における伝統甘味のひとつで、おぼろ豆腐(成形していない、柔らかい豆腐)のことです。これ自体は甘くなく、シロップや黄色っぽい砂糖(粗糖の一種)などをかけて食べます。実は、初めて豆腐花を見た時には、「豆腐を甘く味付けして食べるなんて、信じられない」と、違和感が拭えませんでした。

どう見てもおぼろ豆腐。龍輝山水豆腐花にて どう見てもおぼろ豆腐。龍輝山水豆腐花にて

いかにも健康によさそうな、広東伝統甘味ですが……

まずはなにもかけずに一口。大豆の風味はありますが、これではさすがにつまらないです。次にテーブルにある砂糖を、おそるおそる少量だけかけてみると、やっぱりたいしておいしくありません。最後に、半ばヤケクソで砂糖を山盛りにかけてみると……いきなりおいしく感じられたのです! 豆腐花をおいしく食べるコツは、思い切りよく甘味を足すことと心得ました。以来、香港に行くたびに食べたくなるほど、豆腐花が好きになりました。

龍輝山水豆腐花は豆腐花以外の食べ物もおいしいんです 龍輝山水豆腐花は豆腐花以外の食べ物もおいしいんです

清水の里へ行けば、おいしい豆腐花にありつけます!

豆腐花は味がシンプルな分、水のよさが味の決め手となります。きれいな水が出るところには、おいしい豆腐花あり! なのです。私のおすすめの店は2店。まずはランタオ島、ゴンピンヴィレッジのすぐそばにある「龍輝山水豆腐花」です。大きな木桶からすくってくれる豆腐花は、山上のさわやかな風とともに味わうのが最高です。もうひとつは、新界の有名飲茶専門店「瑞記茶楼」です。ここは点心はもちろんのこと、川龍村のきれいな水で作った豆腐花も売りなのです。セルフサービスなので、山盛りにしても大丈夫。できたての豆腐花が赤いバケツに入っている様子は、苦笑するほどカジュアルですが、味は絶品ですよ。

いつもあるとは限らない、瑞記茶楼で大人気の豆腐花 いつもあるとは限らない、瑞記茶楼で大人気の豆腐花

変わり種スイーツで有名な「甜蜜蜜」もトライ!

前述の2店に味と雰囲気は追いつきませんが、先日はスイーツショップ「甜蜜蜜」の豆腐花も試してみました。分量はたっぷりで、固さはすくい豆腐よりも少ししっかりめです。シロップはとろみがあって、砂糖をドサッとかけるよりしゃれた感じに。この店は西洋スイーツの要素をふんだんに取り入れた、“攻め”のメニューが多いのです。それでも、こうした昔ながらの正統的な香港スイーツもしっかり残っているんですよね。香港旅行中に豆腐花の食べ比べも楽しいものです。カロリーが低いのも、うれしいですね!

ラブリーなカップで召し上がれ ラブリーなカップで召し上がれ