喧噪だけが香港ではない

派手なネオンの看板とひしめく高層ビル…。アジアの都会の喧噪の中でも、香港のそれは独特な風景を織りなしています。旅行者にとって、香港の喧噪はエキサイティングだけれど少し疲れてしまうかも?たまには中心部を離れ、郊外で思いきり自然に触れるのはいかがでしょう。自然観察系のスポットが好きな私は、新界西北部にある「香港湿地公園」へ向かってみました。中心部からなら、金鐘(アドミラルティ)駅前のバス停から967番バスで1時間強、もしくは705番か706番の軽鐵で湿地公園駅下車です。

中国本土にも近い、香港湿地公園は野鳥の楽園 中国本土にも近い、香港湿地公園は野鳥の楽園

広大な湿地帯が、遠足で人気の場所に

この辺りは新興住宅街で、道ゆく人や自動車の数も少なく、鉄道もライトレールが敷かれていて、ゆったりした時間が流れています。2006年、ここの広大な湿地帯を香港政府が整備し、湿地公園としてオープンしました。私が訪れたときには、遠足か社会科見学なのか、小学生から大学生くらいまでの若い人たちが次々にやってきていました。彼らにとって、香港にある数少ない自然と親しむ場所なのでしょう、和気あいあいと盛り上がっては代わる代わる望遠鏡をのぞいています。そう、ここは絶好の野鳥観察スポットでもあるのです。

鳥好きは絶対外せない遊歩道散策!

総面積が約60ヘクタールを誇る公園内には、絶滅寸前の種類を含め、およそ150種類の野鳥がいるのです。ビジターセンターに設置されたスワロフスキー製(!)望遠鏡をのぞいてみるのもいいですが、本気で野鳥観察をするのなら、ぜひ、マイ双眼鏡などを用意して、遊歩道を歩いてみてください。遊歩道は4コースあり、野鳥観察小屋も設置されています。もちろん鳥だけでなく、水生生物も観察できます。足元はしっかりした木道が整備されているので歩きやすく、ワイルドな施設を想像していくとややイメージとちがうかもしれませんが、幅広い年齢層が一日かけて楽しめる公園です。

地元のレジャースポットというだけだけでなく、旅行者にもおすすめ

ビジターセンターは最新の設備が整っている上に、照明を落としたお洒落なディスプレイ。楽しみながら、自然環境について学習できます。香港は近年、エコロジーへの関心が高まっていますが、この公園の取り組みはその一つの表れでもあります。現代の香港らしからぬ水辺の生き物や植物に目を見張り、しかしふと目を上げてみれば、超高層マンションが屏風のように空高く迫っていて、唯一無二の“香港らしい”風景を作り上げています。この対比を見るだけでも、来る価値がある公園ですよ。