香港で最も古い漁村へ

香港最大の島であるランタオ島(大嶼山/タイユイサン)は、多彩な魅力にあふれる島です。香港国際空港と香港ディズニーランドを有する島として有名であることはもちろん、西部の素朴な漁村タイオウも、内外の観光客を集めています。この村は、香港の中でも最も古い漁村なのです。私もランタオ島にくり返し訪れて宿泊もしています。タイオウまでの、バスの車窓からの景色もすてきなんですよ。

香港の水上家屋が並ぶタイオウでは、幻のピンクイルカも見られるかも!(前編) 香港の水上家屋が並ぶタイオウでは、幻のピンクイルカも見られるかも!(前編)

海に面した乾物屋が並ぶ村

MTR東涌(トンチョン)駅にあるバスターミナルを出発し、45分ほど海辺を離れて山間に入っていきます。亜熱帯気候の緑あふれる風景は心和むドライブ。突然、眼前がぱっと開けて、石壁水塘という広々とした貯水池が現れます。草原には、牛がのんびりと歩いています。やがて再び海が見えてくると、ここが終点のタイオウです。バスを降りるとすぐに、干物の匂いが鼻を突きます。あらゆる海産物を干物にした乾物屋がずらりと軒を連ねているのです。中にはどうやって食べるのかまったく予想がつかないような、見たことのない不思議な物体も並んでいます。

タイオウは“東洋のベネチア”?

私が初めてここへ来たとき、ちょうど大型バスが観光客をどっさり乗せて到着したところでした。その様子から、おそらく中国本土からの団体ツアーと思われました。せまいメインストリート(タイオウ永安街)は押すな押すなの大混雑で仰天してしまいましたが、彼らのツアーが去ると、また元のとおりののんびりした風情が戻ってきました。そう、ここは“東洋のベネチア”とも賞される、ゆったりした村なのです(東洋のベネチアが世界に何箇所あるのか知りませんが、ここもその一つということで)。

観光ポイント一つめ

タイオウ観光のポイントは、次の三つ。まず海産物です。干物はもちろん、エビの発酵ペーストはここの名産品で絶品です!お店によって味にかなり違いがありますから、どんどん試食させてもらって、あなたの好みの味を見つけてください。ちなみに私のお勧めは「泰記」というお店のプレーン味です。他に辛味の利いた味もあり、こちらも実は甲乙付けがたくおいしいのですが、プレーンのほうがよりエビの風味をストレートに感じられ、汎用性が高いです。化学調味料も防腐剤も無添加で、スプーン一杯で炒め物がなんでも本場の風味にグレードアップしますよ!

観光ポイント二つめ

二つめの目玉は水上家屋。現在の香港では、ここにしか残されていません。海へと至る河口付近に密集して建ち並んでいます。干潮時には足場となる木の柱が露出していて、その長さと細さに驚くことは間違いありません。海水にさらされ、海藻がびっしりこびりついた木の柱は、いかにもすぐにだめになってしまいそうです。けれども水に抗うように、何本も何本も足場を立てている様は感心を通り越して痛快なほどでした。水上家屋では犬がつながれて吠えたて、暗がりでお年寄りたちが麻雀をしており、小型のボートがまるで自転車のように各戸の前に停めてあって……都心部とは完全に別の香港の姿です。(後編に続く)