香港だけど香港らしくないお店?

同じ街をリピートすると、私はだんだん「いかにもその街らしい場所」よりも「らしくない場所」に行ってみたくなります。物質文明の申し子のような香港で、エコロジカルな生活スタイルを提案するお店を見つけて、さっそく行ってみました。店の名前は「緑色生活専門店(ロッセッサーンウッチュンムンディム、Green Earth Society)」。名前からもエコロジーのコンセプトが伝わってきますね。場所は海鮮料理で有名な街、西貢です。中心部各方面からバスで向かいましょう。

香港、化学物質排除の洗剤や有機野菜などを集めたお店「緑色生活専門店」 香港、化学物質排除の洗剤や有機野菜などを集めたお店「緑色生活専門店」

オープンのきっかけは、オーナー自身のアレルギー

素朴な木の看板がかけられた店の外観から、すでにオーガニックなムードがいっぱい。オーナーの盧さんご自身がひどいアレルギー体質で、長年さまざまな症状に悩まされてきたそうです。アレルギーを改善するためにはどんな医療よりもまずエコロジカルな暮らしを営むことだという考えに達し、この店をつくったとのことです。「多種類化学物質過敏症」だったというオーナーならではの、厳しい目で選んだものばかりが置かれていました。有機野菜やオーガニックコットンを使用した衣類、パンやお茶などの有機食品は当たり前。コスメ製品や洗濯洗剤、漂白剤、空気清浄機、コンポスト(生ごみの処理機)、ペットフードや電磁波対策グッズにいたるまで、とにかく化学物質を排除し健康に配慮したあらゆる生活用品がそろっているのです!

高めの値段設定も理由があってのことです

どれを買うか迷いましたが、エコな石けんなどは日本でも手に入るので、やっぱりお土産らしいものを物色してみました。留守番の家族に、ヘマタイトのネックレスと、ネパールの手漉き和紙を使ったきれいなノートを購入しました。この店の品物は、ふつうの商品に比べると当然値段が高めです。けれどもこうした品物も、貧しい地域への支援活動の資金となるとのことです。ふだん、土産物を買うときはシビアに値段交渉して安く買おうとする私も、この店ではすっかりいい人になっていました。

香港でエコを考えるのも新しい旅のスタイルかもしれません

あれもこれもと見ているうちに時間がたつのを忘れてしまいますが、長時間入り浸っていてもひたすら安らかな店内。それもそのはず、店内のファブリックはすべてオーガニックコットン使用、壁の塗料も化学物質排除の製品だったのでした。アレルギーのない人には違いを感じられないでしょうが、オーナーの盧さんにとってはこの店こそが理想の空間の実現だったのでしょうね。盧さんとはお会いできませんでしたが、奥様は店番をしていらしたので少しお話しできました。奥様をはじめ、店員さんたちは皆まじめそうで感じのいいかたばかりでした。エコな空間にいると心も浄化されていく気がします。中心部の喧噪から少し離れて、エコロジーについて考える小旅行もいいものですよ。