世界の仰天、それが海外旅行の醍醐味

海外には、我々日本人の価値観を覆す文化や伝統がたくさんありますよね。食文化や工芸品、はたまた作法やマナーに至るまで、我々の知らない世界がそこには広がっています。だからこそ、海外旅行には国内旅行とは違った魅力があり、我々の飽くなき探究心や好奇心をくすぐり続けて止みません。かくいう私も、そんな海外の魅力に魅せられた1人であります。ところで唐突ですが、みなさんは高層ビル建設現場の足場と言えば、一体どんなものをイメージするでしょうか? 鉄パイプや鉄板で組み立てる?そんな日本の常識をはるかに覆す方法で、高層ビルを建設する先進国があったのです。

香港の意外な見所!?謎の高層ビル建設現場を見上げてみよう! 香港の意外な見所!?謎の高層ビル建設現場を見上げてみよう!

高層ビル建設現場、まさかのお手製!?

それは私が初めての海外一人旅で香港を訪れたときのことです。目を疑うような光景が飛び込んできました。先進国らしく立ち並ぶ高層ビル群がひと際目を引いたのですが、そんな中何気なく建設途中の高層ビルをよく目を凝らしてみると…なんと足場が全て"竹"で出来ているではないですか!?それもただ紐で編んで組み合わせただけで、ゆうに数十階もある高層ビルの周りを埋め尽くしていました。明らかにきしんでおり、風で揺れている足場を颯爽と飛び回る職人さんたちは、命綱をつけている様子もありません。なぜ香港では,、文明の進んだ現代においても、この伝統的な工法を今も取り入れているのでしょうか?

環境とコストパフォーマンスが生んだ伝統工法

一見見上げるだけで不安になってしまう、このお手製の竹で組んだ足場ですが、『地震が少ないから竹で足場を組んでも大丈夫』というのは現地での有名な話。やはりこれもイギリス統治時代に伝播した西洋人のおおらかさなのでしょうか。一方で最大の理由は「コストパフォーマンス」です。竹と鉄パイプではコストが5倍以上違うそうで、竹の一大産地である中国から安価で質の良いものが入手できる環境も大きな要因です。竹は湿気を帯びることでよく締まって丈夫になるため、亜熱帯気候の香港には最適な工法なのでしょう。しかし、この見事な竹の足場はどうやったら作れるのでしょうか?

竹柵職人、香港では人気のカリスマ職業

興味深いことに、この足場を組む職人になるためには、国が定める一定のコースを専門の職業訓練校で履修しなければならないのです。基礎技術の習得に1年、理論に1週間、1ヶ月ほど地面での練習の後に、初めて高いところに登っての実践練習に移るのだそうです。この職業は"竹柵職人"と呼ばれ、香港では他の職業よりも賃金が高く、とても人気のある職業なんだそうですよ。香港を訪れた際は、ぜひ高層ビル建設現場を見上げてみて下さい。香港人の憧れ"カリスマ竹柵職人"たちが、縦横無尽に空中を飛び回っている姿を見ることができるでしょう。