IATAに堂々反対表明! 香港の丁寧な動物輸送スタイル

私が中でも感心した展示は、非人道的な動物の輸送方法に反対を表明したコーナーでした。「あなたは、捕獲された動物がどんな方法で輸送されているか知っていますか?」というタイトルで、香港で実際にイノシシの輸送に使っていた木の箱が展示してあります。中に入る動物が安らかで快適な気持ちでいられるよう、1〜2ヶ月を費やして、この木箱の中で餌を食べさせるそうです。しかし、IATA(国際航空運送協会)では、輸送される動物のためにそこまでのケアをしていないとのこと。「IATAも香港のやり方を見習ってほしい」と訴えていました。見学者たちがこの解説を読んでは、木箱の中をのぞきこんでいく様子が印象的でした。

解説文をよく読んで理解しましょう 解説文をよく読んで理解しましょう

豚の給餌&遊び時間は狙い目です!

来園者たちに大人気だったのは、豚の飼育コーナー。「大花白豚(たいかはくとん)」という種類の、黒と白の大きなまだら模様のある豚が6頭飼われています。私が通りかかったときは、ちょうど給餌と遊びの時間に当たりました。飼育員さんが餌の準備を始めると、豚舎からそれを見ていた豚たちは「出して! 早く食べたいよー!」と気も狂わんばかり。なんと、鉄格子のはまった扉の鍵をカチカチいわせて、鼻面で開けるような仕草をするんですよ。これには子供も大人も笑いながら感心していました。餌と水をたっぷりとった後は、ボール遊び。飼育員さんがボールを投げると、大きな体を揺らして飛びついては、鼻で転がして遊ぶのです。その様はとても微笑ましくてかわいらしいものでした。

日よけのシェードがかけられ、大事に飼育されています 日よけのシェードがかけられ、大事に飼育されています

香港の“別の顔”を見る思いになります

豚たちの愛らしさに目を細める来園者。しかし、ここはあくまでも教育目的の施設です。豚を理想的な環境で飼育することの事例として、この豚舎がつくられているのです。そして、「豚肉をあまり食べ過ぎないで!」というメッセージも、図説入りで大きく取り上げられていました。畜産には多大な生産コストがかかります。行き過ぎた肉食への志向は、環境破壊につながります。「菜食主義への移行ほど、健康と長寿に有効な方法はない」というアインシュタインの言葉も挙げられていました。美食の都・香港。旅行者の多くはグルメ目的です。しかし香港は、そんな享楽的な顔ばかりではないのですね。(その4に続く)

ビジュアル的にも訴える力が十分な展示 ビジュアル的にも訴える力が十分な展示