意外とたくさん建っている、香港のキリスト教会

香港のキリスト教会を訪問したことがありますか? 香港は、長らくイギリスの植民地だったため、イングランド国教会の系統である「聖公会」がおもに信仰されています。香港各地にはいくつものキリスト教会が建っていますね。日本の常識では考えられないほどの高層ビルがぎっしり並ぶ香港で、その谷間に建つ教会は、そこだけ別の時間が流れているように感じられることでしょう。そんな香港の教会の中でも、とびきりユニークな存在感を誇る教会が、「中華様式のキリスト教会」です。現在、香港には3ヶ所あるそうです。

遠くからでも目立っています! 遠くからでも目立っています!

銅鑼湾にこんな教会があることをご存知ですか

ひとつは沙田(シャティン)にある「道風山基督教叢林」、もうひとつは九龍城にある「聖三一堂」、そしてあともうひとつが、今回ご紹介する「聖馬利亞堂(St. Mary's Church,聖マリア教会)」です。場所は香港島有数の繁華街・銅鑼湾(コーズウェイベイ)です。あとの二つは中心から離れた新界ですから、旅行者にとっては、それらの教会よりずっと気軽に足が向きますよね! そこでこちらを訪ねてみました。MTR銅鑼湾駅から大坑(タイハン)方面へ向かって、徒歩8分ほどのところに、聖マリア教会が建っています。

威風堂々。しかし朱塗りの柱は中華様式そのもの…… 威風堂々。しかし朱塗りの柱は中華様式そのもの……

香港一級歴史建築なのです!

このエリアは、キリスト教会系の病院や学校などが集中しているところなので、初めて行く人も分かりやすいと思います。聖マリア教会は、遠目からでも建築の不思議さが際立っています。赤いレンガの壁に白い十字架がよく映え、そこへ波のような緑色の瓦屋根が載り……え、瓦屋根?! そうです。和洋折衷ならぬ“華洋折衷”な建物には、誰もが自然と目を引かれますよ。この建物は、1936年に建立されました。香港一級歴史建築でもあり、建築としての価値の高い、美しい建物です。

なぜ、こんなにユニークな建物に?

このような、“華洋折衷”の教会ができた理由は、キリスト教という異国の宗教への抵抗感を減らすため、香港の人々にとって親しみのある中華様式を取り入れたからだといわれています。私には、この独創性に満ちた折衷様式の建物が、まるで近代の香港をそのまま形にしたように見えてなりませんでした。長らくイギリスの文化に触れ、中国に返還されてなお、いまだにコスモポリス的自由さを感じさせる香港。その象徴的な教会を見に、銅鑼湾へ行ってみてください。

裏手から。もはや教会かどうかも分かりづらい不思議な建物に見えます 裏手から。もはや教会かどうかも分かりづらい不思議な建物に見えます