立ち入り禁止ではありませんが、配慮を十分に……

「インスタ映えスポット、映画『トランスフォーマー/ロストエイジ』のロケ地は撮影禁止になりました」前編からの続きです。この「モンスターマンション」の中庭は、2018年1月をもって、無許可の撮影が禁止になりました。全面立ち入り禁止ではなく、敷地内に入ることはできます。「南北小厨」をはじめとする、敷地内のローカル度満点なレストランに行ったりすることは可能です。しかし、このような措置が取られるからには、これまで観光客の傍若無人なふるまいに住民が迷惑してきたことが容易に想像できますよね。

中庭に立ち入らず、外側を撮るのもいいでしょう 中庭に立ち入らず、外側を撮るのもいいでしょう

住民同士の団欒の場がだいなしに

実は、私も撮影禁止の告示が出る直前の2018年1月初めに、ここへ行ってきました。まだ告示の横断幕は出ておらず、観光客が自由に撮影をしていました。けれどもたしかに、自分がここの住民だったら気分を害するだろうなと思えるような行動が目につきました。中庭では、テーブルを囲んで、カードゲームを楽しんでいます。そのすぐ脇で、奇声をあげたり奇抜なポーズをとったりしながら、世界各国からの観光客が写真を撮りあっているのです。

周辺の散策も楽しいキングズロード 周辺の散策も楽しいキングズロード

通告の張り紙も、誰にも読まれず古びていくだけ……

貯水槽かなにか、1メートルくらい高くなっている足場があり、観光客はそこにも平気でよじ登っていました。よく見ると、その貯水槽らしきものにも、2017年3月付の「通告」として、この場所は住民が生活しているから騒いだりしないでほしい、事故など起きても責任は負えない、というようなことが書かれていました。しかしその文章はすべて漢字で書かれており、多くの外国人には意味のない張り紙だったことでしょう。私も「ここへ来れば話題の写真が撮れるかも」と期待してやってきましたが、うるさい観光客と静かにカードを見つめる住民を見るうちに、なんだか恥ずかしくなってきてしまいました。

筆文字がかっこいい太古駅 筆文字がかっこいい太古駅

観光客の心ないふるまいに反省。旅行は配慮が大事でした

前編に、私が香港の巨大ビル群を好きな理由を「あの窓の中ひとつひとつに、人が暮らしている」と想像するからだと書きました。けれども、ここへ来てみて、やはりまだ自分も現地の人の暮らしに対する想像を欠いていたのだと思い至りました。旅行は、あくまでそこに暮らす人あってのもの。“インスタ映え”のために存在しているのではありません。モンスターマンションは、ウエーブを描いた外側からの光景も他を圧倒する迫力があります。最寄り駅太古(タイクー)あたりも、下町らしくておすすめですよ。住民に配慮した旅行を楽しみましょう!

この先は中庭なので、節度を守りましょう この先は中庭なので、節度を守りましょう