ユースに「博物館」が併設?

このホステルのコンセプトは、いわば「進化したレトロ」です。昔の公団住宅をきれいに改装した格安な宿泊施設というのは、もちろん最大の特徴ですが、それ以外に、2点のセールスポイントがあります。その一つは、建物の一部を使った博物館です。「メイホーハウス(美荷樓)生活館」は、1950年代から1970年代の、この団地での生活の様子を忠実に再現して展示しています。入場無料ということが信じられないほど、見応え十分のすばらしい展示です。ここは必見ですよ! 宿泊客以外でも自由に見学できます。

まるで本物のおうちに来てしまったようです まるで本物のおうちに来てしまったようです

博物館は、エントランスからすでにワクワク!

入り口を入るとすぐ、昔ここに住んでいた子供たちがずらりと並んで座っている様子が写真で再現されています。写真は実物大で、壁面と床面をうまく使っており、本当にこの団地の路地を歩いている感覚になるような視覚効果があるのです。撮影自由なので、ここでぜひ写真を撮ってみてください。しゃがんで低い位置から撮ると、ますます立体的に写りますよ。蒸し暑い香港のこと、当時の子供たち(の写真)は皆ランニングシャツに裸足で座り込んでいます。

公団ができたのは、大火事が原因でした

まず最初のコーナーでは、この団地が建てられることになった歴史を紹介しています。1953年に、石硤尾一帯を襲った大火事のため、多くの人が住む家を失いました。そのため政府により、香港で初めての公団住宅がここに建設されたのです。その説明が、豊富な資料と緻密なジオラマなどで語られています。その見せ方は実によく工夫されていて、壁一面を写真で作ったり、音声を取り入れたり、当時を偲ばせる品物をコラージュ風に並べたりしています。レトロファンには宝の山でしょう。

驚愕の「団地生活」! (とくにトイレは必見ですよ)

団地の内部を再現しているコーナーでは、さらに目を見張ります。1950年代から70年代までの部屋の中を、小物に至るまできっちりと本物で再現しているのです。まずは各部屋の狭さに誰もがびっくり! こんなに狭い家に、よく家族が住んでいたものだと、見学者たちは感心しきりです。そして、あらためて再現された室内をよく見回すうちに、椅子やベッド、時計、湯飲みやポット、リアルすぎるトイレ、無造作に壁に掛けられた服1枚にいたるまで、すべてが実際に使われていた生活用品だったことに気づくのです。だからこそ、「レトロ」が偽物っぽくなく、まるで自分がタイムスリップして昔のおうちにお邪魔しているような気分にさえなるのです。

ほんとに無料でいいの? 展示は驚きの充実ぶりです

この「メイホーハウス生活館」は、2004年に閉鎖されました。その後、老朽化した建物はいわば「廃墟」のような存在となり、そのさまに興味を持った見学者が絶えませんでした。2009年、この展示の原点となる、当時の生活を再現した期間限定展示が催されました。その後、この期間限定展示を常設展示にすることを踏まえ、大規模な改修工事を経て、2013年に本格的な博物館としてオープンしたのです。予約制の無料ガイドツアーもあるので、ぜひどうぞ! 続いて、もう一つのセールスポイントをご案内します。(その3に続く)