旅の最初の最初にすること、それが市内への足の確保

海外旅行に行って入国審査を通過したら、まず考えなければいけないのが中心部への移動。台北の松山空港などの例外をのぞき、空港は中心部から離れた郊外にあることがほとんどです。タクシー料金が安い国や、3、4人で乗るとしたら、タクシーが便利。なんといっても速さと機動性があります。空港に直結した駅があって鉄道が整備されているなら鉄道もいいですが、香港のエアポートエクスプレス(機場快線/AEL)のように、在来線とほぼ併走しているにもかかわらず、利便性と快適性で差がつくために料金が「意外と高い」と感じる場合もあるかもしれません。空港からさらに郊外や別の街へ動くなら、空港内にあるレンタカー会社でレンタカーを借りてしまえば移動はきわめてスムースです。でもこれは中心部へ向かう一般的な旅行者のスタイルとはやや異なりますね。

到着したら、バス?タクシー?鉄道?空港から市内へ向かう手段 到着したら、バス?タクシー?鉄道?空港から市内へ向かう手段

たとえば香港の場合、バスはいかが?

空港から市内へ向かう交通手段で、私が一番好きなのは「バス」です。バスは他の交通機関に比べてスピードが遅いので時間に余裕のある旅行に限られますが、じわじわと移り変わる車窓の風景を見て「この国へ来たんだ」と実感できるからです。たとえば、香港へは何度も訪れていますが、前述のエアポートエクスプレスはあまり好きではありません。便利この上ないのは確かですが、のんびり派の旅人にとっては“味気ない”のです。その点、エアポートバス(機場巴士)なら空港を一歩出たとたんに旅情満点。階段を駆け上がってダブルデッカーの2階最前部に席を占めたら、さあ「旅の中の小さな旅」がスタートします!

香港のエアポートバスは旅情たっぷり。自然派、都会派、橋派(?)もみんな満足

空港のあるランタオ島は、緑あふれる島。まずは左手に海を、右手に山を見ながら高速道路を快調に進みます。エアポートエクスプレスからは見ることができない「青馬大橋」や、「昴船洲大橋」からの風景を楽しめるのもバスのいいところ。トンネルをくぐるごと、大きな橋を渡るごとに、車窓はどんどん表情を変えていきます。田舎らしいのどかな風景は、やがて生き馬の目を抜くような香港のまちなかの光景へと変わっていきます。こんなダイナミックな風景の移り変わりを楽しむには、エアポートエクスプレスは速すぎるのです。

旅の中の小さな旅を楽しんで!

旅行に行って海外の空港に到着すると、つい「一刻も早く市内へ行こう」と気が急き、市内のホテルに荷物を置いてからやっと「旅が始まった」と感じる人は多いことでしょう。それだと、空港から市内へ向かう時間は思い出にも残っていない……ということになります。しかし香港のエアポートバスのように、郊外の自然から中心部の都会へ移っていく様子を見ていくことは、その国の一端を知ることに他なりません。たまにはいつもとちがう交通手段を使って街へ入るのも、おもしろいですよ。