海辺の街の動物保護活動って?

香港の九龍半島(カオルーン)東部に位置する西貢(サイコン)は、海水浴のために離島へ渡る小舟が発着し、海辺には海鮮料理店が軒を連ねる活気ある街です。しかしその海沿いのプロムナードを少し離れれば、落ち着きのある街並みが広がります。そこを散策したり、オープンエアのカフェなどにいると、犬を連れた住民が多いことにすぐ気づきます。それも雑種ではなくいかにも値段の高そうな血統書付きの犬。動物病院やペットショップも多く見かけます。この街はペット禁止の超高層マンションはなく、ペットでを飼うのに適した街なのです。この西貢に、香港の動物保護活動を行うアニマルシェルターがあると聞き、訪れてみました。

予想よりはるかにカッコいい!捨て犬シェルター

「愛護動物協会(SPCA)」という、香港の動物保護活動をしている団体が、ここ西貢で捨て犬のシェルターを運営しているのです。その名は「DOG×GOD領養中心(アダプションセンター)」。狭い香港のマンションで飼いきれずに捨てられた犬を保護し、新しい飼い主の斡旋をおこなっているとのことです。好奇心だけで地下鉄とバスを乗り継いでここまで来た私は、まず「動物愛護団体」という堅苦しいイメージを覆す、現代アート風のポップでしゃれた建物の外装に驚きました。それもそのはず。このシェルターは香港の大人気インテリア雑貨ブランド「GOD(ジー・オー・ディー)」との完全コラボで経営されているのです。建物の中へ入ると、植民地時代のオールド香港のイメージ写真がコラージュされた内装や、カラフルな犬舎、犬のモチーフをデザインしたユニークなTシャツ販売コーナーなどがあり、さすがGOD!と、さらに感嘆しました。

かわいいだけじゃなく、しつけもきちんとなされた犬たち

さて犬舎に入っている犬たちは、すごい獣臭を放ってはいるものの、みんなとてもよくしつけられていてたまらなくかわいらしいのです。ほとんどが雑種の中型犬で、一頭一頭が異なる味わいを持っており、もし私が香港に住んでいたらすぐにでも買って帰りたいと思うほどでした。スタッフの若い女性が水をやるために子犬のブースに入ると、子犬は甘えて飛びついて行きました。しかし彼女は小さい声で飛びつきを叱咤します。怒鳴りつけたりせず、子犬が行儀よくお座りをして水を待てるまで、何分でも根気づよく教え続けるのでした。そのやさしくも毅然とした態度に、私はすっかり見入ってしまいました。ここまできちんとしつけられるまでには、犬たちの出自や生い立ちにはいろいろなことがあっただろうに、よくまあ立派に育ち上げたものだと、スタッフの並々ならぬ愛情と熱心さに深く感動しました。(その2へつづく)