村の中心にあるモスク、ジャーミ・マスジット

最後の城門をくぐったバスは1kmほど走り、マンドゥ村の中心にある広場に到着します。「村の中心」といっても、土産物屋と雑貨屋を兼ねた食堂が数軒ある程度です。何しろ「インドの顔」といってもいい乗り物の、オートリクシャーの姿さえ見えないほどの田舎です。のんびりとした雰囲気の中、広場の一画に17mの高さの門を持つモスク、ジャーミ・マスジットがあります。階段を上って中に入ると、中庭の先に小さな3つのドームを持った横長の礼拝所が見えるでしょう。15世紀前半に建てられたこのモスクは、イスラム教初期のモスクであるダマスカスのウマイヤドモスクを参考にして造られたといいます。ドームといってもまだ小さいものですが、もともとインドではドーム建築は発達していませんでした。このモスクの脇から、裏側に通じる通路があるので、進んでみましょう。

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タージマハルの原型となった廟

そこには白一色の大理石で建てられ、ドームを抱いた印象的な建物があります。これはマンドゥを都としていたグーリ朝の王、ホシャン・シャーの廟(墓)です。それほど大きくはありませんが、インドの建築史の中では重要な建物です。というのもこの建物はインド初の白大理石建築と言われ、またインドを代表する建物であるアグラのタージマハルもこの廟を参考にして建てられたという逸話があります。タージマハルを建てたムガル帝国皇帝シャージャハーンは、その建築の前に建築家をこの地に派遣したというのです。タージマハルも白大理石で造られ、白いドームを抱いています。また、均整の取れたプロポーションも何となく、タージマハルの姿につながるでしょう。当時、白大理石はインドで産しない貴重なものでした。そのため、インドにある石造建築は赤い赤砂岩を使ったものが主なのです。

マンドゥのハイライト、宮殿区へ

さて、次の見どころが村の中心から北東に1kmほど離れたところにある「宮殿区」です。人造池の周囲に、王宮や接見の間、モスク、ハレムなどの跡が残っています。ここが遺跡の充実度からいってマンドゥのハイライトといってもいいでしょう。中庭の緑もきれいによく手入れされており、建物も10年ほど前の写真に比べると、かなり修復されたようです。近年、インドでは、地方の遺跡でも掃除する人や警備員がきちんと置かれており、この遺跡もゴミひとつないほどにきれいに掃除されていました。その割には訪れる人がそれほど多くはなく、静かなのがいいですね。人気は少ないが荒れ果ててはいない遺跡を、気持ちよくのんびり観光しました。敷地は広いので見学時間は2時間ほど見ておくといいでしょう。(その3へ続く)