ハレムだった「船の宮殿」

「宮殿区」で一番有名な建物が、「船の宮殿」とも呼ばれている「ジャハーズ・マハル」です。これは幅15m、長さ120mの細長い2階建ての宮殿で、隣接した池にその姿が映る様が大きな船に見えることから、この名がつきました。王様が1万5000人の女性たちを住まわせたハレムとして伝えられていますが、実際には住めるのはせいぜい200から300人ぐらいだったと思います。外階段があり、建物の中に入らずに直接屋上に出られます。この平らな屋上は、「船の甲板のよう」とも言われていますが、この建物が作られた時代にはこんなタンカーのような広々とした甲板を持つ船はなかったと思います。屋上には屋根の付いたチャトリ(小亭)がいくつかあり、王はここでくつろいで周辺の景色を眺めていたのでしょう。

インドのおすすめ穴場スポット、マンドゥ その3 「宮殿区」のハイライトを解説しましょう! インドのおすすめ穴場スポット、マンドゥ その3 「宮殿区」のハイライトを解説しましょう!

別の入場口がある「接見の間」

その奥には「ヒンドラ・マハル」という建物があります。中が吹き抜けになった2階建てで、「接見の間」や会合の場所として使われていたようです。この建物が少し変わっているのは、外からの入口が2つあること。ひとつはそのまま中央のホールに出ますが、もうひとつが緩い坂になっていて外から直接2階に上がれるようになっていることです。つまり中にいる人たちに気づかれずに2階に上れ、吹き抜けになっているホールを見下ろすことができるのです。ということはこの入口は、王などの地位の高いもの、あるいは一般の人に姿を見られないほうがいいハレムの女性たちが使ったのでしょう。ヒンドラ・マハルの先には「王宮」がありますが、残念ながらこちらは印象的な部分はあまり残っておらず、あまり面白くはありません。それでも、階段井戸やトルコ式の蒸し風呂のハマムの跡などが残っています。

マンドゥの南端へ

宮殿区を出た後は村の広場に戻り、そこから南に4〜5kmほど行った台地の南端まで行ってみましょう。公共交通機関はないので、車をチャーターするか、村のお店かホテルでレンタサイクルを借りるといいでしょう(1日100円程度)。途中は日陰もほとんどなく、とても暑いので徒歩はおすすめしません。中心の広場から自転車で2、3分も走るとすぐに家々が途切れ、麦畑が広がります。朝の早い時間帯は自転車も気持ちがいいですよ。道沿いや遠くのほうに、有名ではない遺跡がぽつぽつと残っています。入れないものもありますが、無料で公開しているものもあり、かなり修復は進んでいるようです。(その4に続く)