インド人が大好きな甘くて濃厚なチャイ

みなさん、インドの飲み物といえば、ヨーグルトドリンクの「ラッシー」か、ミルクティーの「チャイ」をイメージする人が多いのではないでしょうか。このふたつはインドの国民的飲み物のツートップです。特にチャイは、インド人の毎日に欠かせません。チャイの基本の作り方はこんな感じです。まず鍋に少量の水を沸騰させ、ジンジャーやカルダモンなどのスパイスと屑茶葉をいれます。そこにミルクと砂糖を加えて煮詰め、ふきこぼれそうになったら鍋を火からはずして、茶こしで濾してグラスに注いでできあがり。砂糖がたっぷり入った濃厚なチャイを、インド人は一日に何杯も飲みます。

アーメダバードのチャイの屋台 アーメダバードのチャイの屋台

都会ではプラスチックのカップが増えてきた

濃厚なチャイ、わたしも大好きです。インドに着いて、最初に道端の屋台でチャイを飲むと、『ああ、またインドに来たなあ』としみじみ実感するのです。レストランのチャイもいいのですが、基本はやっぱり屋台のチャイ。小さなカップに目の前で注いでもらって、他のインド人たちと同じように、立ったままその場で飲みます。屋台なら1杯6〜10ルピーくらい(1ルピー≒1.8円)しかし、残念なのは、最近デリーやムンバイなどの大都会の屋台のチャイが、白いプラスチックのコップに入って出てくることです。

懐かしい、バラナシの素焼きのカップ

昔は、屋台のチャイといえば、小さな素焼きの壺のようなカップで供されたものでした。カーストが根強く残っているインドでは、異なるカースト間で同じカップを使うのは不浄だと考えられ、再利用しないために飲み終わったらカップを道に投げ捨てていたのです。道がアスファルトじゃなかったころは、素焼きのカップの破片は土に還っていきました。エコだったんですね。今ではベナレスやコルカタなどインド東部に、まだ素焼きのカップが残っています。これで飲むと、素朴な土の肌触りと香りが、チャイの味を一段と味わい深いものにしてくれるように感じます。

グジャラートのチャイは陶器のカップアンドソーサーで

インドの西の端グジャラート州のアーメダバードを訪れたときのこと。いつものように観光の合間にあちこちの屋台でチャイを飲んでいました。ふと、この町では屋台のチャイでもきちんとお皿付きの陶器のカップででてくることに気づきました。もちろんカップは安物で、縁が欠けているものもあります。でも、お皿のついたカップで飲むと、なんだか背筋が伸びるというか、“特別の一杯”を嗜んでいる気分になってくるのです。デリーのプラスチックのカップに注がれる10ルピーのチャイより、この町の6ルピーのチャイの方が、私はおいしく感じられました。器が違うとチャイの味まで変わる気がするなんて、不思議ですね。