もうひとつの建築の聖地アーメダバード

もうひとつの建築の聖地は、インド西部にあるグジャラート州の州都アーメダバードです。インドの地方都市は人口が多く、どこも雑然とした雰囲気ですが、アーメダバードもやはり同じです。到着したばかりだと、この街にモダン建築が建ち並んでいるようには感じられないと思いますが、ル・コルビュジエやアメリカ人建築家ルイス・カーンの建築作品が建っています。ルイス・カーンは1901年生まれのアメリカ人。「最後の巨匠」と呼ばれる建築家です。それではモダン建築を見に街へ出てみましょう。

インドの地方都市はモダン建築の聖地だった(その3) インドの地方都市はモダン建築の聖地だった(その3)

ル・コルビュジエ設計の市立博物館と繊維業会館

最初に見るべきは、ル・コルビュジエがデザインした「市立博物館」でしょう。レンガ積みの大きな博物館ですが、博物館としての展示内容はあまり期待できません。しかしこの建物はいかにもル・コルビュジエらしいデザインです。横長の窓、スロープ、ピロティ(高床)というサヴォア邸で見せた手法が、ここでも見事にいかされています。ただここもまた50年の歳月を経て、レンガやコンクリートが劣化しているのが残念です。ここより5年古い建物ですが、状態がいいのが「繊維業会館」です。インドの強烈な日差しを避けるために、窓に取り付けられた大きなスリットが特徴的。現在も事務所として使用されていますが、内部も快く見せてもらえます。

インド・モダン建築の最高傑作ルイス・カーンのインド経営大学

アーメダバードを代表するモダン建築は何かといわれれば、ルイス・カーンがデザインした「インド経営大学」をおいて他にありません。総レンガ造りで、壁に大きな円が空いたカーン独特のデザインは圧倒的な迫力を持っています。丸い大きな開口部を設けたのは、強い日差しを避けて、内部を涼しく保つためですが、あえてコンクリートを多用せず、レンガで造ったのは、補修の際に現地で入手しやすい部材であり、技術的にもやりやすいからだそうです。そのダイナミックなデザインと機能性はインドのモダン建築の最高峰といっても過言ではないでしょう。

モダン建築を見てまわるには

アーメダバードには紹介した建物以外にも、数多くのモダン建築が存在します。それらは必ずしも一般公開されているわけではありませんが、マナーを守れば快く歓迎してくれます。ツーリスト・インフォメーションで尋ねればアーメダバードのモダン建築を教えてもらえることでしょう。歩いてまわるのは無理ですので、タクシーかオートリキシャをご利用下さい。暑いので帽子と飲み水の携帯をお忘れなく。