インドのコーヒー栽培

インドにコーヒーが伝わり、その栽培が始まったのは16世紀。インド紅茶の栽培の歴史は19世紀のことですから、実はインドではコーヒーのほうがその歴史は古いのです。インドで初めてコーヒーが栽培されたのは、南インドのカルナータカ州にあるチクマガルールの山です。この西ガーツ山脈周辺は、標高が1000m以上あることや、モンスーンの影響で雨季乾季がハッキリ分かれていることもあり、今でもコーヒー栽培がとても盛んな地域なのです。

インド有数のコーヒー農園に泊まる。コーヒーショップ「Cafe Coffee Day」運営の高級リゾート インド有数のコーヒー農園に泊まる。コーヒーショップ「Cafe Coffee Day」運営の高級リゾート

コーヒー農園の中にリゾートが

カルナータカ州の州都バンガロールから西へ車で6時間、インドコーヒー栽培の発祥の地、チクマガルールへ行ってきました。標高1090mにある町自体は小さく、とくに見どころはないのですが、その周辺の山や丘陵地帯はコーヒー農園に覆われています。「最近のインドの流行り」なのでしょうか。こうしたコーヒー農園が経営するリゾートや高級ゲストハウスに宿泊するのが、インド人の間で人気です。このあたりはアラビア海から吹いてくるモンスーンの影響で雨季と乾季がハッキリしており、6〜9月の3ヵ月の間に一年の大半の雨が降る一方、11〜3月にはほとんど雨が降りません。この乾季のシーズンに、ちょっとリッチなインド人が週末を過ごしにやってくるのです。

インド最大のコーヒーチェーンが経営するリゾート

そうした高級リゾートのうちのひとつに泊まる機会がありました。インドでは知らぬものがいないというコーヒーチェーン「Cafe Coffee Day」が、自身のコーヒー農園の中にオープンしているリゾート「ザ・サライ」です。この「Cafe Coffee Day」はバンガロールを拠点とし、インド全土に1500店舗あまりのお店を持つというインド最大級のコーヒーショップです。町の郊外の丘の斜面に、そのリゾートはありました。エントランスは白を基調としたスッキリとしたもので、インドらしい内装ではありません。バリ島などにあるアマングループの高級リゾートのような、モダンで無国籍な雰囲気です。

インドらしからぬモダンな造り

2階建てのエントランスビルに、レストランやバー、スパなどの施設が入り、その下にあるプールから水が階段状に下のほうに流れて行きます。そしてその階段水路の両端に独立したヴィラが30棟ほど並んでいます。各ヴィラは全室プライベートプール付きという豪華さ。内装もモダンなもので、インドらしさは皆無。私のような外国人にはその点が物足りないですが、宿泊客の大半はインド人なので、逆にそのほうが“非日常”でいいのかもしれませんね。驚いたことに、このリゾートのどこにも「Cafe Coffee Day」のロゴがありませんでした。現実さを感じさせるものはとことん排除しているのでしょう。

こんなインドもまたインド

リゾートの外側はずっとコーヒー農園が広がり、宿泊客はこの中を自由に散歩することができます。残念ながら収穫のシーズン(12〜2月)はまだ先でしたが、春に実をつけたコーヒーの実が、すくすくと育っていました。このリゾートが一番にぎわうのも、この収穫のシーズンだということでした。もし機会があったら、ふつうのインドの観光名所をめぐる旅ではなく、こうしたリゾートで別な顔のインドを見てみるのもいいかもしれません。