明るくユーモラスなゴンド画

ゴンド画は、「ゴンド」という民族が描く絵です。ゴンドとはインド中央部に住むアディヴァシー(先住民)の総称で、ゴンドワナ大陸という呼称はこのゴンドに由来するといわれています。ゴンド画は近年になってジャンガル・シンというアーティストが、伝統的な壁画の技法を現代風にアレンジして生まれたものです。彼の作品が世界的な注目を浴び、その成功によって、そのスタイルを他の人々が取り入れ、作品を制作し続けています。アクリル絵の具によるカラフルで細かい描写は、ユーモラスで暖かな印象を与えます。

インド、ボーパルの博物館に先住民アートを見に行く(後編) インド、ボーパルの博物館に先住民アートを見に行く(後編)

インドでも人気があるワルリー画

ワルリー画は、ムンバイの北にあるターネー県一帯に住むワルリーの人々の壁画です。茶色の土壁に、米の粉を溶かした白い線で描かれました。宗教に関係なく、新婚の部屋の内壁に子宝を祈って描かれましたが、同じ技法で村人の生活の風景も描かれます。この絵もキャンバスに描かれて販売するようになり、インドでも人気が高い民俗画のひとつになっています。大きなキャンバスに無数の人が登場し、その一人一人の仕種に意味が込められているといわれています。その丹念な描写は圧巻です。もちろんこの絵も博物館でごらんいただけます。

アディヴァシーの生活を支える絵

この博物館には、絵の前に、その絵を描いたアーティストがいることがあります。アーティストは絵を売りたいので、絵を気に入ってくれた観客に、ストックした絵を売ってくれるのです。貧富の差が激しいインドで、アディヴァシーの生活は非常にきびしく、絵は重要な現金収入となっているのです。純粋にアートを制作するようなゆとりのあるアディヴァシーはほとんど存在しません。インド政府も彼らの生活を支えるために絵を描いて売ることを奨励し、作品を紹介する博物館を設けているのです。もし、こういった絵をご覧になり、好きな作品に出合えたら、それを描いたアーティストから作品をお買い下さい。小さな作品は1枚500〜1000円と高くはありませんし、よい思い出になると思います。