奇祭の宝庫インド

奇祭と呼ばれる独特の習俗を持ったお祭りは世界中にありますが、その中でもインドは奇祭の宝庫です。本人たちにとっては宗教的に非常に重要だったり楽しいお祭りだったりしても、我々から見たらちょっと理解できない奇祭の数々。私も、無知ゆえに参加してしまった(巻き込まれてしまった)お祭りがあります。それは、インドに春を告げるお祭り「ホーリー」です。あまりにもインド人たちが羽目をはずし過ぎて危いので、その間は外国人宿泊客に外出禁止令を出すゲストハウスもあるくらいなのですが、過激な奇祭ホーリーとは、いったいどんなお祭りなのでしょう。

外国人は外出禁止!?インドに春を告げる大祭「ホーリー」 外国人は外出禁止!?インドに春を告げる大祭「ホーリー」

春の訪れを祝う「色の祭典」

ホーリーは、インドやネパールのヒンドゥー教のお祭りで、インド暦11月の満月の日の午前中をクライマックスに、春の訪れを祝って相手かまわず色粉を塗ったり、色粉を溶いた色水をかけ合います。友人知人のみならず見知らぬ人にも見境いなく色粉や色水をかけ、「ハッピーホーリー!」といって抱き合ったりするのですが、ふだんはお酒を忌み嫌う彼らもこの日ばかりは盛大に飲んで酔っ払い、飲まない人も気分が高揚してものすごくハイになり、都市によってはコントロールが効かない暴動に近い状況になっていくところもあります。この日ばかりは警察も動かない(動けない)そうです。

祭りの真っ只中に飛び込む

町によっては本当に過激なお祭りになるホーリーですが、私は初めての海外旅行でインドを訪れた最終日に、デリーでその日を迎えました。私がいたニューデリーの高級ホテルの周辺はとても静かで、時々顔を色粉で何色にも塗られた男の人が歩いていくくらいで、まったく賑わいがありません。物足りなくなった私は、下町オールドデリーにちょっとだけ行ってみることにしました。そしてオートリクシャで向かったオールドデリーの目抜き通りは、カオスと化していたのでした。ハイ状態の男たちで埋め尽くされた道の真ん中にいきなり飛び込んだ私は、まさに「飛んで火にいる夏の虫」だったのです。

無事に脱出できてよかった!

周囲のインド人たちはすぐに私に気づき、獲物を見つけた虎のような目になって(笑)、我先にと私に色粉を塗りたくってきます。顔はまだしも、どさくさにまぎれて胸やお尻に触ってくるし抱きついてくるしで、危険を感じた私は即座に逃げようとしたのですが、道は渋滞していてなかなか脱出できません。ほうほうのていでどうにか逃げおおせたものの、今度は、ものすごい色に塗り上げられた顔で高級ホテルに入ることができず、通用口から入って従業員用のトイレで顔などを洗ってから戻りました。ホテルのスタッフや空港の役人に笑われ、日本でも不自然に赤い顔でしばらく過ごし、帰国後もホーリーの余韻に浸ることができました(笑)。若気の至りでしたが、無事だったこともあって、今となってはいい思い出です。