旅行者たちはデリーから鉄道でインド各地を目指す

インドの玄関口となる都市・デリー。日本から空路で来る旅行者の多くはデリーから入国し、そこから周辺都市に鉄道や国内線で向かいます。デリーから旅行者がよく利用する鉄道路線は、タージマハルのある都市アグラ方面、風の宮殿で有名なジャイプル方面、そしてヨガで有名なリシケシュ方面への3路線ですが、その各路線をニューデリー駅から毎朝6時台に出発する、「シャタブディ・エクスプレス」という特急があります。そのため、朝5時半を過ぎると、ニューデリー駅前に旅行者たちが集まってくるのですが、それを狙って旅行者たちをダマす輩もやってくるのです。

シャタブディエクスプレスを待つニューデリー駅構内。朝早いのでまだ暗い シャタブディエクスプレスを待つニューデリー駅構内。朝早いのでまだ暗い

インドの鉄道では、ホームに入る前に改札はない

彼らは一見、鉄道関係者の制服らしき服を着て、駅舎の前やその中に立っています。そして外国人旅行者を見つけると寄って行き、「チケットを見せなさい」と言います。インドの鉄道ではホームに入るのに改札はなく、駅員がチケットチェックをすることはありません。チケットのチェックがあるのは乗車してからで、それは車掌が行うのです。つまり日本のように、ホームに入る前に改札は決してありません(X線のセキュリティチェックがある駅はあります)。それでは声をかけてくる彼らはいったい何者でしょう。実は彼らは、悪徳旅行会社の手先なのです。

持っている乗車券では列車に乗れない? それは手口です!

彼らが声をかけているのは外国人だけなのですが、何も知らない日本人旅行者は、その制服らしき姿に油断してついチケットを見せてしまいます。するとその駅員風の男は「このチケットはコンファーム(確認)をしていないので、そのまま乗ることはできない」、あるいは「ウエイティングのままだから乗れない」などと言って、駅から旅行者を連れ出します。乗車時間が迫っているので、旅行者はパニックになりますよね。そうこうしているうちに列車は出てしまい、旅行者は仕方なく連れて行かれた旅行会社で車をチャーターし、目的地に向かうことになります(だいたい4〜6時間の距離が多い)。

乗車するまでは、チケットを見せないように

旅行者が多いシーズンだと、このニセ駅員は毎日、しかも複数で立っています。慣れている旅行者は彼らのウソに気づきますが、引っかかっている人もいます。そんな人の中には、最後までダマされていたことに気づかない人もいて、「乗れないチケットを買わされた」とその乗車券を購入したほうの旅行社に逆に腹を立てる人もいるほど。確かに列車が満席の場合、キャンセル待ちの「ウエイティング」状態でチケットを販売する旅行会社もまれにあるのですが、それならチケットに「WL(Waiting Listの略)」と書いてあります(WL番号が早ければ乗れるチャンスはあります)。また、キャンセルが出て乗れるようになったかは、駅の窓口で聞けば教えてくれます。せっかくのインド鉄道旅行。こんなことにダマされて、高い出費にならないように気をつけてくださいね。インドでは、「列車に乗る前にチケットの提示を求められることはない」のが鉄則です!