先史時代のインドに住んでいたのは?

インド亜大陸にはどのくらい前から人間が住んでいたのでしょう。世界史で覚えている方もいるかもしれませんが、現在インド人の大半を占めるインド・アーリア系の人々がインドにやって来たのは、紀元前2000年ぐらいのことです。つまりその前に栄えたインダス文明の担い手とは別人種ですね。アーリア人は、現在のヨーロッパ人と同じ言語がルーツです。インドにやって来たアーリア人たちは、現在のヒンドゥー文化の根幹を成す「カースト制」「牧畜」「バラモン教(のちにヒンドゥー今日に発展)」などをもたらしました。

先史時代の壁画が残る世界遺産、インドの「ビームベートカーの岩陰遺跡」へ行こう! 前編 先史時代の壁画が残る世界遺産、インドの「ビームベートカーの岩陰遺跡」へ行こう! 前編

「先住民」が今も多く住むマディヤ・プラテーシュ州

インド先住民というと南インドのドラヴィタ系の人々が有名ですが、それ以外にも、北インドには「アディバシー」と呼ばれる先住民が、何百万人も住んでいます。そしてその先住民が多いマディヤ・プラテーシュ州には、アーリア人到来以前の多くの岩窟壁画が残っています。場所は北インドのちょうど真ん中あたり。乾燥した台地が広がり、ところどころに低い岩山があるようなところです。こうした岩山に紀元前1万年から紀元前2500年ほど前の石器時代の人々が住んでいました。農耕が伝わる以前は、人々はおもに狩猟や採集で生活していましたから、平地に住む必要はなく、また、敵や危険な動物から身を守るためにも(インドには野生のトラやライオンが棲息しています)、こうした岩山の洞窟や岩陰に身を寄せあって暮らしていたのです。

世界遺産に登録されている岩絵

冬が寒いヨーロッパでは、こうした岩絵は洞窟内に描かれることが多いのですが、暑いインドでは大岩がひさしのようにせり出した岩陰に描かれることが多いようです。雨風がしのげれば逆に風通しがいい外の方が過ごしやすかったのでしょうか。英語ではこうした岩陰を「ロックシェルター」といいます。そしてそうしたロックシェルター(岩陰遺跡)群のうちのひとつが、世界遺産登録されている「ビームベートカーの岩陰遺跡」です。今回はそこをぜひ見たくて、行ってきました。

この遺跡へ行くには…

この遺跡があるのは、マディヤ・プラデーシュ州の州都ボーパールから南へ46km行った郊外です。ボーパールへはデリーやムンバイといったインド各地から飛行機で行けますし、デリーから特急で8時間の距離です。岩陰遺跡のある岩山は幹線道路から3kmほど離れた所にあるので、通常はボーパールからは車をチャーターして行くことが多いですね。片道約1時間、観光の時間を入れて、往復3時間ぐらいは見ておいた方がいいでしょう。車のチャーター代は日本円にして1台3000円ぐらいです。(続く)