デリーの気になるスポット

インドの首都デリーで、近くを通るたびに気になっていた場所があります。黒髪を垂らしたオレンジ色の巨大な像が立ち、胸の前で両手の指先をくっつけています。なぜか口の上が変な感じにふくらんでおり、長いしっぽが頭の上まで伸びています。これはインドの神様のひとり、猿のハヌマーン。ただの像でなく、巨大なのでお寺の一部だということは分かっていましたが、気になりつつも何年もなかなか行く機会がないままでいました。今回、そのお寺についに行ってきました。

すごいインパクト! デリーにある猿神の形をしたヒンドゥー寺院 すごいインパクト! デリーにある猿神の形をしたヒンドゥー寺院

内部は意外にまともな寺院?

旅行者が集まるメイン・バザールに近い、ラーマクリシュナ・アシュラム駅からメトロに乗って、隣のジャンデーワラン駅へ。ホームに降り立つと、すぐに例の像の後ろ姿が見えました。オレンジ色の巨大な像は、どこから見ても異彩を放ち、迷いようがありません。近づくとなんと、ハヌマーン像の両足の間に怪物の顔がはさまっており、大きく開けた口が入口になっていました。ただし建物内部は意外に普通。階段を上って3つ目の部屋は女神ばかりを祀っており、全面鏡張りできらきら光っています。最上階の部屋は、ハヌマーン像のお尻が室内に突き出しているのが笑えました。

一番奇妙な部分は1階と地下

外見に比べると、意外に普通だったハヌマーン寺院の内部。でも変な部分はほかにもありました。1階に戻って寺院の奥へ進むと、大きな口を開けたワニの頭が壁から飛び出ていてギョッとします。そして地下へ通じる階段を進むと、そこには恐ろしげな世界が広がっていました。首から血が噴き出した3体の像が、切り離された自分の頭を手に持っています。ほかにもけばけばしくグロテスクな神像たちが、壁が真っ黒に塗られた洞窟の中に置かれているのです。まるで地獄をモチーフにしたテーマパーク。こういう場所、中華圏や東南アジアならありそうですが、インドで見たのは初めてかもしれません。

ぱっくり口を開けた動物がテーマなのか

地獄のテーマパークをさらに奥へ進むと、通路はどんどん細くなり、人1人がやっと通れる幅になりました。さらに進むと光が見え、外へ。なんと出口は入口の隣にぽっかり開いていたライオンの口。怪物の口から入って、猿の体内を巡り、ワニの口を眺め、ライオンの口から出る。インドにこんな寺を作ろうと思ったのは誰だったのでしょうか。また、あとで知ったことですが、ここのハヌマーン像の指は毎週火曜日に動き、普段は胸に隠している金のラーマとシータの像が見えるようです。ともあれ、ハヌマーン寺院は内部も期待を裏切らない、小さな不思議世界でした。