深遠な国インド。何を見に行きましょうか

南アジアの、いえ世界の大国であるインドは、汲めども尽きぬ魅力にあふれた国です。インドへ行って何を見るかは、人によってまったく変わることでしょう。たとえば「現代建築を見る旅」というのはどうでしょう。歴史と宗教の国と思われがちですが、インドには現代建築にも優れたものがたくさんあるんですよ。首都デリーで、現代建築の粋ともいえる大建築、「バハーイー・ハウス・オブ・ワーシップ」へ行ってみませんか。イスラム系新宗教の寺院ですが、「これが“寺院”?」を目をこすってしまうような、驚きの建築が待っています。

写真だと平面的ですが、立体の実物は圧巻! 写真だと平面的ですが、立体の実物は圧巻!

バハーイー教とは、なんでしょうか

バハーイー教は、19世紀にイランで興った新しい宗教です。本拠地はイスラエルの都市ハイファにあり、インドでの拠点はここデリーの「バハーイー・ハウス・オブ・ワーシップ(別名ロータス・テンプル)」です。「すべての宗教の根源はひとつである」という教義に基づき、世界平和、人種の平等、男女平等などを説いています。現在は、アメリカやオーストラリア、チリその他、世界中に数多くの信者がいます。日本にもバハーイー共同体があるそうですよ。

門にはずらりと行列が 門にはずらりと行列が

散歩気分で行ってみましょう!

新宗教というとなんとなく敷居が高そうに感じるかもしれませんが、ここでは入信への勧誘などはいっさいありませんから、ご心配なく。入場無料なので、10万平方メートルという広大な敷地内を散歩するインド人ファミリーも多数。門を入ってしばらく歩いてみると、完璧に手入れされた庭園が徐々に姿を現し、そのスケールの大きさにドキドキしてくるほどです。見事な庭園の果てに、白い大理石でできたハスの花のような建物が見えてきます。

暑い中、辛抱強く並んだり、セルフィーを撮ったり…… 暑い中、辛抱強く並んだり、セルフィーを撮ったり……

オペラハウスとの相違点はなんでしょう?

ここは、しばしば「シドニーのオペラハウスに似た建物」と例えられています。たしかに、空に向かって伸びていくような、白く鋭角的なシェル(外壁兼屋根)の形は似ています。しかし、海辺に建つオペラハウスは、まるで海の波を表しているように、躍動的に見えます。それに比べこちらの“ロータス・テンプル”は、これほど大きいのにまるで重さがないみたいに感じます。紙でできているかのごとくふんわりと、まぶしい緑の庭園の真ん中に“咲いて”いるようなのです。(後編に続く)

名建築は、遠くても近くても美しい表情を持っています 名建築は、遠くても近くても美しい表情を持っています