インド最高のミナールのみならず、インド最古のモスクも

その2からの続きです。さて、クトゥブ・ミナールと鉄柱だけでなく、敷地内にある周辺の建築群も丹念に見ていきましょう。まずはインド最古のモスクといわれている「クワットル・イスラム・マスジッド」。これはボロボロに崩れているにも関わらず、いえ崩れかけているからこそ、なんともいえない魅力をたたえた遺跡なのです。建築部材には、ここに元から建っていたヒンドゥー寺院を破壊し、その石材をモスクの建設に使ったといわれています。そのため、よく見ると削り取られたヒンドゥー教の神像の跡などを見つけることができるのです。

見事な装飾! 見事な装飾!

モスクの建設には多くのヒンドゥー教徒の職人がいたそうです

異なる宗教のモチーフが残る石材をそのまま使うとは、はたから見ると理解に苦しむ感覚ともいえます。もしかすると、この地の異教徒を征服したことを名実ともに示す効果を狙ったのかもしれませんね。いずれにせよ、ここクトゥブ・ミナールは、インド初のイスラム王朝発祥の地です。現代に生きる私たちにとっては、ヒンドゥーとイスラムという、この国の長い長い因縁の歴史の始まりを見る思いがするのです。

どこにヒンドゥーのモチーフが残っているか、歩いて探してみましょう どこにヒンドゥーのモチーフが残っているか、歩いて探してみましょう

完成した姿を想像しようもないほどの、塔の残骸に何を思うか

ミナールのすぐ隣に建っていて、しばしばミナールと共に写真に収まっている建物は、「アラーイー・ダルワザ」です。この建物は、かつては門だったため、中は何もないのですが、内側にびっしりと施された彫刻が非常に見事です。また、「アラーイーの塔」と呼ばれる未完成の塔の基部も必見です。アラーイーの塔は、ハルジー朝のスルタンのアラウッディーンが、クトゥブ・ミナールに対抗して、2倍の高さがある塔を建てようとしたものです。しかし彼は戦いに明け暮れ最後は殺されてしまい、塔建設も放置となりました。ひたすら美しいクトゥブ・ミナールに比べようもないほどボロボロで、近寄るとわずかに背筋が寒くなるような不気味さがあります。その無残な姿は、人の欲望の断末魔のようでした。

クトゥブ・ミナールの後に見ると、思わず嘆声が漏れます クトゥブ・ミナールの後に見ると、思わず嘆声が漏れます

カメラを向けずにはいられない、珠玉の遺跡です

もっと丹念に歩けば、聖者の墓や小さなモスクなど、発見に満ちている世界遺産「デリーのクトゥブ・ミナールとその建造物群」。行く価値大の遺跡です。メトロのイエローライン「クトゥブ・ミナール」駅からオートリキシャ、もしくは2km徒歩です。入場料は外国人料金500ルピー(2016年現在、約850円)。歴史の重みに圧倒されながら、飽きることなく写真を撮り続けることでしょう。それくらい、ステキな光景ですよ!

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