庶民の足に私たちも乗ってみよう

インド旅行者が移動するとき、強い味方にもなり、大きなストレスともなる乗り物が、小型オート三輪のオート・リキシャ(オート・リクシャーとも表記)ですよね。インドの都会で年々激しくなる渋滞の道でも、器用に自動車の脇をすり抜け、グイグイとたくましく前進していきます。たくましいのは運転だけでなく、商魂もそれ以上で、乗車前の値段交渉はインド初心者にとって試練となることでしょう。

ニューデリーの中心、コンノートプレイスで ニューデリーの中心、コンノートプレイスで

冷静に、でも簡単に折れないで

個人的には、交渉をするときに「カッカしない」ことが最大のコツだと思います。旅行記や体験談などを見ると、押しの強いドライバーとの交渉に疲れたり、頭にきたりしている人が多いなあと感じます。私は、たとえばデリーならヒンディー語圏ですから、ドライバーと交渉するときには「ちょっと高いよ。もう少し負けて!」とヒンディー語で言ったりします。それだけでも場の雰囲気は和みますよ。

郊外のメトロ駅前にも、オートがたむろしています 郊外のメトロ駅前にも、オートがたむろしています

「イェー、ラルカー、パーガルへー(クレイジー)!」

相場よりかなり高く値段を言ってこられたら、周りにたむろするドライバーたちに向かって「このお兄ちゃんたらクレイジーだよ!」と(ヒンディー語で)叫んだりもします。全員が爆笑して、当のドライバーも頭をかくという運びとなります。このように、ほんのちょっとだけでも現地の言葉を調べて覚えるといいですね。ドライバーの娯楽は映画ということが多いので、インド映画スターの名前を出すのも、相手を和ませるのに有効です。

こちらはオートではなくサイクル・リキシャ。いまだ健在 こちらはオートではなくサイクル・リキシャ。いまだ健在

あなたも私も、お互いコンプロマイズ(妥協)

また、たとえば相手が(相場50ルピーのところを)「100」と言ってきたら「40!」。「90!」と下がったらすかさず「50!」というように、ぽんぽんテンポよく数字をやりとりし、ある時点で頑として下げなくなったら「60、コンプロマイズ!」と立て続けに言うと、わりとあっさり「ティークヘー(オーケー)」ということになりやすいです。コツは妥協点の数字に間(ま)を空けずに、続けて「コンプロマイズ!」と叫ぶことです。「コンプロマイズ」と口に出して言うことで、自分自身も妥協に納得するという、心理的なメリットもあります。後編は、オート・リキシャの今昔(こんじゃく)のお話です。(今昔編に続く)

ナンバーを控える意味で車体の写真を撮っておくのも、安全のためにおすすめ ナンバーを控える意味で車体の写真を撮っておくのも、安全のためにおすすめ