“旅先ではがきをしたためている自分”が好き?!

ちょっと長い旅行をしたとき、「はがきを書いてみようかな」と思ったことはありませんか。今は外国にいてもメールやSNSで日本と快適につながっていられることがほとんどになっていますが、あえて現地で絵はがきを買い、住所録を引っ張り出して、はがきを友達に宛てて書く人も多いことでしょう。旅先のはがきは、それ自体がお土産にもなりますし、自分自身が書いていて楽しいものです。でも、それも時と場合によることもあります。

インドの山奥で、日本人青年は「親にはがきを書いた」と言ったけど…… インドの山奥で、日本人青年は「親にはがきを書いた」と言ったけど……

日本人学生の旅行者はインド旅が自慢

インドのヒマーチャル・プラデーシュ州を旅行していたとき、たまたま、ある若い日本人男性と話をしました。彼はまだ学生でした。インドを旅している自分を「オレってすごい?!」と自慢したくて仕方がない様子でした。ネックレス、ブレスレット、指輪など、ありったけのインド製アクセサリーをつけていて、それらは“現地でがんばって値切って買いました”ということを物語っていました。毎日いろんな体験をしてエキサイティング!だましてこようとするインド人とのやり取りもおもしろい!あそこもここも行ってきた、インド旅行の“箔をつける”ために、あそこも回るつもり……私が誰なのかなどおかまいなし、とにかく日本人に日本語でしゃべりたいという渇望がありありわかったので、しばらく一方的におしゃべりをさせていました。

本人にとっての旅、待つ身にとっての旅

「ふーん、一人で旅行しているのね。家にしばらく帰ってないんだね。お母さんに電話とかしてるの?」と尋ねると、彼は「えーっ、オレそういうのしたくないから。母親に電話なんて、なんか恥ずかしいしカッコ悪いから。あ、一度はがきは書いた。はがきのほうがカッコいいじゃないですか。旅の空!って感じで!」ぱっちりした目をくるくるさせて無邪気な旅人は答えました。その目をとらえて、私は言いました。「なるほど。でもね。あなたは毎日いろんなことがあって楽しくてしょうがないけど、待っている方はあなたのことだけを心配しているんだよ。こんなインドの山奥から出したはがきなんて、ずっと後にならないと着かないよ。たまには電話してあげなさい。親ははがきがカッコいいとか悪いなんてことはどうでもよくて、たった今、あなたがどうなのかってことを知りたいんだから。」

はがきとそれ以外の連絡手段を上手に使い分けよう

彼は「そんなこと初めて言われた…」とびっくりしました。「学生なんだし、旅に出させてもらっているならたまに消息を知らせるのは最低限の務めでしょう?」と言うと、「わかりました。山から下りたら電話します。いい話聞いた!ありがとうございました!」と深く納得していました。シンプルな人だなと苦笑しましたが、お母さんは喜んだことでしょう。今は、心配して待っている相手に連絡するには電話以外のツールもありますね。ゆったりした旅の情緒があるはがきと、安心をいち早く伝える電話やメール。相手に応じて、上手に使い分けましょう!