かつて王国があったシッキム州とは

シッキム、と聞いてイメージが浮かぶ人はどれぐらいいるのでしょう。ここはインド北東部、ネパールとブータンに挟まれた場所にある、インドで2番目に小さな州です。かつてはチベットから逃れてきた人々が作ったシッキム王国がありましたが、1975年にインドに併合されました。小さいながらも、標高は280mから8000m台までと差が激しく、変化に富んだ自然と独特の文化に触れられる場所。パーミット(許可証)がないと入れない州ですが、日本人は州境や周辺の主要都市などで無料で取得が可能です。

昔の日本を思わせるのどかな景色に癒される! インドのシッキム州 昔の日本を思わせるのどかな景色に癒される! インドのシッキム州

快適な州都、ガントク

シッキム州は東西南北の地域に分けられており、州都は東シッキムの標高約1600mの丘の上にあるガントクです。かなり大きな町で、高低差のあるうねった道があちこちに延びています。ネパール人やチベット系の人々が多いため、雰囲気はあまりインドらしくなく、のんびり歩ける歩行者専用道があったり、おしゃれなカフェやレストランがあったりと、山中の秘境を想像して行くと驚くかもしれません。おもな見どころは、ヒマラヤの山を眺められるビューポイントや、点在するチベット仏教の僧院などです。

心癒されるペリンとケチュパリ湖

西シッキムにあるペリンは、ヒマラヤの山々がより近くに迫る標高2150mの場所。一時期シッキム王国の都が置かれた場所ですが、今は街道沿いののどかな集落といった趣です。そこから車で1時間ほどの場所に、聖地とされるケチュパリ湖があります。女神の足跡の形とされる緑色の湖で、周囲は森に囲まれて神秘的な雰囲気。ほどよい標高で、気候は温暖。周辺の風景はのどかな山里といった風情です。古くからシッキムで暮らしていたレプチャ族は、顔立ちやシャイな性格も日本人にそっくり。彼らが穏やかに暮らす様子を見ると、まるで古き良き時代の日本にいるかの安らぎが感じられます。

全くの別世界、北シッキム

これまで紹介してきた地域と異なる様相を見せるのが、北シッキムです。標高はぐんと高くなり、1年のうち4ヵ月が雪で閉ざされます。入域にはシッキム州のものとはまた別の許可が必要で、ガントクなどからのツアーでしか行くことができません。そのためか、手つかずの自然が守られた秘境です。切り立った岸壁や、雪に彩られた山々、そして青く美しい湖が、標高の比較的低いほかのシッキムとは別世界を作り上げています。さまざまな姿を見せるシッキム州。心穏やかに旅できる場所として、一般的なインドに疲れた人にもおすすめです。