南インドでは珍しいイスラーム色

ハイデラバードはアーンドラ・プラデーシュ州の州都。一般に「南インド」と呼ばれるインド亜大陸南端の4州のうちの一つです。16世紀の末にゴールコンダ王国の首都に定められて以降、歴史に大きくその名を刻み始めます。一時期はムガル帝国の版図に入ったりもしましたが、英領時代にインド最大の藩王国の都としてその名を轟かせていました。約400年にわたってイスラーム教徒の支配下にあったため、南インドにしては珍しくイスラーム色が色濃く感じられます。

ハイデラバードぶらぶら歩き!(その1:建築編) ハイデラバードぶらぶら歩き!(その1:建築編)

4つの光塔を持つ建物

ハイデラバードで特にイスラームの匂いを感じさせるのが、チャール・ミナールという建築物とそれを中心に広がる街です。旧市街にあるこの建物は、1591年にムハンマド・クリー・クトゥブ・シャーによって建設されました。一辺が20mの正方形をしており、それぞれの壁面には美しい弧を描くアーチがあります。建物の四隅には高さ56mにもなる光塔がそびえ、4つ(チャール)の光塔(ミナール、アラビア語ではミナレット)を持つことから、「チャール・ミナール」と呼ばれています。夜間にはライトアップされ、幽玄な姿を見せてくれます。

イスラーム的な街を見渡せる

ハイデラバードの象徴ともいえるこの建物は現在ではインド中から多くの観光客を集めて、入場料を払えば内部に入ることができます。螺旋階段を上ると、目に飛び込むのは、すぐそばにあるマッカ・マスジッドやせわしなく行き交うイスラーム教徒達やオートリクシャー。ちなみにマスジッドとはアラビア語でモスクのこと。このマッカ・マスジッドはハイデラバード最大のモスクで一万人以上を収容できるほどの大きさです。ゴールコンダ王国時代に建設が始められ、ムガール帝国による征服後、皇帝アウラングゼーブが完成させました。

古くからあるバザール

チャール・ミナールから西に続くのがラール・バザール(英語表記はLad Bazar)。古くゴールコンダ王国時代から続くと言われるマーケットで、バングル(腕輪)やサリー、ウェディング関連用品などが売られています。ここを訪れるならば日が暮れてからが特におすすめ。バングルを売る店はどこもまばゆいばかりの照明で明るく照らされ、ブルカと呼ばれる黒いベールをかぶったイスラーム教徒の女性が買い物をしています。行き交う人ごみの向こうには、ライトアップされたチャールミナールが見えます。その様子はとても幻想的で遠いアラブ・ペルシアのイスラーム世界とこの南インドの北端がつながっていたことを強く思わせます。