アンベール王国の都、ジャイプル

インド北西部にあるラジャスタン州・その1からの続きです。そうしたラージプートのラジャが統治した都市を紹介しましょう。たとえば現在、州都となっているジャイプルは、ラージプートの有力氏族であるカチワーハー家が統治するアンベール王国の都でした。現在はジャイプルの町の郊外になってしまいましたが、本拠地はジャイプル北12kmにあるアンベール城です。16世紀に王が娘をムガル皇帝に嫁がせて宮廷と婚姻関係を築き、以降ムガル帝国の発展とともに忠実な同盟国として力を持つようになりました。

アンベール王国のマハラジャが住んだジャイプルのシティパレス。奥の白い建物がマハラジャの住居だった アンベール王国のマハラジャが住んだジャイプルのシティパレス。奥の白い建物がマハラジャの住居だった

インドの観光で人気が高い世界遺産の町

ムガル帝国は6代皇帝のアウラングブーブが死ぬと衰退し、それと共にアンベール王国は半独立化。18世の王のジャイ・シング2世のときに都をアンベールから平地のジャイプルに移します。イギリス時代は藩王国として残り、それはインド独立まで続きました。今ではジャイプルは、デリー、アグラと共に「ゴールデントライアングル」と呼ばれる人気観光地のひとつで、インドを訪れる多くのツアーがここに立ち寄ります。マハラジャが住んでいたシティパレスや、パンフレットにもよく使われる風の宮殿が有名ですが、ジャイ・シング2世が建てた天文台が世界遺産に登録されています。また、アンベール城も「ラジャスタンの丘陵城塞群」のひとつとして世界遺産に登録されています。

マールワール王国の都、ジョードプル

マールワール王国は、13世紀にジョードプルの北9kmにあるマンドールを都として建国したラージプートの王国です。1459年に王のジョーダーが、自分の名前を冠した新しい都ジョードプルに遷都しました。ムガル帝国全盛期には、ムガル皇帝に使え、王のジャスワント・シングはタージマハルを建てた皇帝シャージャハーンによって「マハラジャ」の称号が授けられたほどです。しかしムガル帝国で皇位継承戦争が起きた際、ジャスワント・シングが支持した王子シコーは負け、マールワール王国は多くの兵を失います。新たに皇帝となったアウラングゼーブと和議を結びますが、アウラングゼーブは隙を見て、マールワール王国を併合しようとして、戦争が始まります。

町を見下ろすメヘランガール砦が圧巻

ジョードプルとムガル帝国の対立は続きますが、そのうちムガル帝国が衰退し、ジョードプルの方は後にイギリスの藩王国になりました。現在のジョードプルの町は、城壁に囲まれた趣のある町です。旧市街の町の壁はみな青一色に塗られているので「青い町」とも呼ばれています。このジョードプル最大の見所は、町の背後にそびえるメヘランガール砦でしょう。この砦はいまだマハラジャの子孫が管理しています。町から見上げるこの砦の姿は圧巻です。ぜひ見に行ってください。また、旧都だった郊外のマンドールには、王家の墓廟が幾つも立っているので、それも見に行ってみましょう。(その3に続く)