インドの秘境、ラダックとは

ラダックという地名を聞いたことがありますか?ラダックはインド北部のジャンムー・カシミール州東部に位置する山岳地帯を指し、標高が高く非常に乾燥した地域です。住民はチベット系が多く、一般のインド人とは異なり、私たち日本人と同じモンゴロイドの特徴も備えています。多くはチベット仏教を信仰し、各地に多くのゴンパ(僧院)が点在しています。高山の厳しい気候であることから人口密度は非常に低く、美しい自然が最大の魅力。こうしたことから、ラダックを訪れる観光客は、各地に散らばるゴンパを巡ったり、車またはトレッキングで、山や谷、村や湖などを訪れたりするのが定番でした。

インド・ラダック地方の意外な楽しみ方、ラフティング インド・ラダック地方の意外な楽しみ方、ラフティング

ラダックでは珍しいトレッキング以外のアクティビティ

ところが、先日ラダックでの湖巡りツアーに参加した際、同じツアーにいたオランダ人旅行者からいいことを聞いたのです。それはラダックを流れるザンスカール川で、ラフティングができるということ。安価に体験でき、しかもとても楽しかったそうなのです。ラダックでそんなアクティビティが楽しめるというのは知らなかったので、気になって旅行会社へ。見ると多くの旅行会社の前に、「ラフティング毎日催行」と書かれた紙が貼られていました。値段は1日ツアーで1人2000円強。日本ではかなり高額に違いないラフティングも、インドなら格安で楽しめるのです。もちろんその場で参加を決めました。

バスでチリンまで行き、川下りスタート

ザンスカール川は、ラダック南部に位置するザンスカール地方を流れる川で、ラダックの中心地レーの町から36kmほどの地点でインダス川に合流します。ザンスカール川のラフティングは一般的に、この合流地点から約25km上流にあるチリンという村の近くを出発し、合流地点に向かうというもの。レーからバスで約3時間、チリンに到着すると、旅行会社が用意したウエットスーツに着替えました。ボートから落ちたときの救助方法の説明を英語で受けたあと、いよいよ灰色の濁流に漕ぎ出します。

スリルたっぷりのラフティング

あまり幅の広くない川を、9人乗りのボートが下っていきます。インストラクターの号令に従って、ツアー参加者の8人は漕いだり手を休めたり。川は時折流れが急になったり、激しくうねったりし、そのたびにひやりとしたり、水をかぶったりします。周囲の景色は、木も草もまったく生えていない岩山ばかり。日本の自然とは完全に異なる雄大な風景に、目が釘付けでした。下り続けて2時間ほどたったでしょうか。インダス川との合流地点が見えてきました。上陸後、昼食をとってからレーに戻ります。ラダックでのラフティングは夏を中心に行われますが、私が参加した8月ですら、ぬれるので日がかげると結構寒かったです。だけどザンスカール川の水を近くに感じ、川と同じ目線で、かつ同じ速さで移動することに、今まで経験したことのない心地よさを感じました。ラフティングのスリルが好きな人もいるでしょうが、私にとっては今回の経験は、ラダックの自然を身近に感じるための、新たな方法のように思えたのです。