秘境、ザンスカールとは

ザンスカールはラダックの一地方で、レーの南西に位置するパドゥムが中心の町です。この地域のメインのトレッキングコースは、有名なラマユル・ゴンパ(僧院)からパドゥムへ向かうもの。この区間すべてを歩く人もいますが、私たちは一部車にしました。つまり、フォトクサル村まで車で行き、6日間かけてピドモ村まで歩くと、車が迎えに来るというスケジュールです。実は私、日本ですら山をやっているわけではありません。北アルプスの穂高や白馬に登ったのは、もう遠い昔のこと。それもせいぜい2泊3日です。それなのに、1週間もインドの山の中を歩いたりできるのか、とかなり不安でした。

リュックひとつで手軽に本格トレッキング!インドの山奥を歩く その2 リュックひとつで手軽に本格トレッキング!インドの山奥を歩く その2

意外に歩きやすい道を行く

フォトクサルのテントで1泊した後、早速歩き始めます。初日はゆるやかなアップダウンが続く楽なコースですが、それ以降は峠の手前に幕営し、朝一番に峠を越える日が多くなります。辺りの景色は、視界をさえぎる巨大な岩山が姿を現し、それらが激しく尖っていたり、地層の模様が波打っていたりとものすごい様相。こういう険しい岩山の景色が、このコースの特徴なのです。いくつもの小川を渡り、村を通り、峠を越えるこの道は、古くから村人たちが行き来した生活の道。日本の山では、傾斜が非常に急だったり足場が悪かったりしますが、このトレッキングコースはそこまで難しい道はなく、比較的楽に感じました。同行したロバ使いは、なんとサンダルで歩いていたほどです。

ロバと現地の人々の驚くべき体力

このトレッキングに同行したのは、ガイドとコック、そしてロバ使い2人。計4人もの青年と、ロバ6頭に馬1頭。私たち2人のために、ずいぶん大がかりな一行になったものです。朝食を食べると、ガイドと私たちがまず先に歩き始めます。私たちが持っているのは、お弁当とレインコート、水など、歩いているときに必要なもののみ。残りはロバに運んでもらいました。その後片付けを終えて荷物を積んだロバたちも出発しますが、私たちは必ず途中で追い抜かれてしまいいました。重い荷物を積んでいるロバも、現地の青年たちも、私たちより歩くペースがずっと速いのです。

至れり尽くせりの贅沢トレッキング

午後2時ごろにキャンプ場に到着すると、すでに調理用テントが作られていて、すぐにお茶とおやつを出してくれます。その後はキャンプ場の近くを散策したり、湧き水で洗濯をしたり、座っておしゃべりしたりして思いのままに過ごします。夕食は山の中とは思えないほど豪華で、大きな中華鍋などで作られた料理が、毎晩5品ぐらいも並びました。食事をしながらしばらく楽しくおしゃべりし、夜がふけると近くに立ててある自分たちのテントで星を眺めつつ寝袋にもぐりこみました。電気もシャワーもありませんでしたが、雄大な自然とゆったりした時に包まれた、なんとも贅沢な日々でした。(リュックひとつで手軽に本格トレッキング!インドの山奥を歩く その3 に続く)