山の天気は予測不可能

荷物は持たなくていい、料理やテントはすべて用意してくれる、昼間は素晴らしい景色を楽しみ、夜はラダック人たちと冗談交じりのおしゃべり……。こんな風に気楽で楽しいザンスカールのトレッキングでしたが、少し苦しいこともありました。それは最初の4日間ほどは、毎日のように雨が降ったこと。砂漠並みに乾燥しているはずのラダックで、まさかこんなに雨が続くとは思いませんでした。標高が高くなるにつれて寒さがひどくなり、歩き始めて2日目に越えたセンゲ・ラという約5000mの峠は、8月だというのに一面の雪景色。雨ばかりだと洗濯もできず、景色も夜空の星も見えず、気が滅入ってきます。ひたすら太陽を待ち望む日々でした。

リュックひとつで手軽に本格トレッキング!インドの山奥を歩く その3 リュックひとつで手軽に本格トレッキング!インドの山奥を歩く その3

金色に輝く麦畑を眺めつつ

その代わり、後半部分はすばらしい天気に恵まれました。青空に輝く太陽が、尖った岩山の連なりと、人がほとんど住めないこの不毛な、しかし独特の美しさをもつ大地を照らしています。非常に短い夏の間に生えたわずかばかりの草花が、この季節を一斉に謳歌しているようでした。何よりもよかったのは、私たちが訪れた8月中旬から下旬にかけて、畑の麦が黄金色になったこと。あちこちの村で豊かな実りの秋を感じさせる、平和かつ幸福な光景に出合いました。レーを出て8日目、トレッキングを終えた私たちはザンスカールの中心・パドゥムに着き、久しぶりのシャワーを浴びたのでした。

トレッキングに必要な物

ここで、ラダックでのトレッキングに必要な持ち物を書き留めておこうと思います。まずは靴。足首を覆うような本格的なトレッキングシューズでなくても大丈夫ですが、しっかりしているに越したことはありません。そして着替え3セット程度、タオル、雨具、帽子。防寒具は、日本の秋の装備プラス手袋でいいでしょう。ヘッドライトも必須です。日焼け止め、ごみを持ち帰るための袋、アメやお菓子、そしてサンダルもあると便利。さらに風邪薬、高山病の薬(ダイアモックス、レーで購入可)、消毒薬。充電ができないので、カメラのバッテリーは予備を用意。20から30リットルのバックパックと、ロバに預ける荷物を入れる袋。レーには山用品を売る店が多いので、大体のものは手に入ります。なお、寝袋、ストック、テントは借りることが可能です

楽しいトレッキングをするために

私たちは現地に行ってからツアーを手配しましたが、もちろん事前にレーなどの会社にコンタクトを取って予約することも可能です。ただし、高度順応する時間が必要なので、着いてすぐ歩き始める日程にはしないほうが懸命です。体調が悪いと馬に乗せてもらえることもあるようですが、その馬から落ちて骨を折り、道を引き返した人がいる、という話も聞きました。ともあれ、安全に歩けばかけがえのない時になるに違いない、ラダックでのトレッキング。場所によっては1日から3日程度の短いコースもあるようなので、次の夏に計画してみてはいかがでしょうか。