温泉があるのはヒンドゥー寺院だけではない

宗教施設の中や、その周辺に源泉があることが多いインドの温泉。「インドの温泉はお寺にある? その1」で挙げたのはすべてヒンドゥー教の寺院でした。有名なバラナシのガンジス川の光景を見ても分かることですが、ヒンドゥー教徒にとって沐浴とは、罪やけがれを除く重要な儀式なのです。では温泉があるのがすべてヒンドゥー寺院かというと、そういうわけではありません。インド北部のパールヴァティー渓谷にあるマニカラン温泉は、シク教の寺院内にあるのです。

インドの温泉はお寺にある? その2 マニカラン温泉 インドの温泉はお寺にある? その2 マニカラン温泉

ターバンを巻いたシク教徒

シク教とは、16世紀に興った比較的新しい宗教です。イスラム教の影響を受けてヒンドゥー教を改革したため、カースト制を否定しています。インド人の典型的なイメージとして言及される、ターバンを巻いている人たちがシク教徒です。彼らにも沐浴の習慣があり、アムリトサルにある総本山・黄金寺院周辺の池でも沐浴風景が見られます。温泉があるマニカランへは、マナーリーから直通バスがあり便利です。ブンタールという町から、幹線道路を外れて山中に分け入ること約2時間。みずみずしい緑が印象的な渓谷に沿って、多くの建物がひしめき合うマニカランに到着しました。

無料の食事と宿がある寺

ごうごうと音を立てて流れる急流に架けられた橋を渡ると、白亜のシク寺院・グルドワラの入口に着きます。まずは2階の食堂へ向かいました。頭にかぶる布のようなものを借りて、部屋に入ります。シク教はオープンな宗教で、異教徒でもあたたかく歓迎してくれます。他の多くの訪問者と共に私も食事を振舞われ、スタッフたちに囲まれて記念撮影。この施設は24時間オープンしており、無料で滞在もできるとのこと。ただし、お世話になったら帰りに寄付をしたほうがいいでしょう。3階には本堂があり、鏡を貼り合せたようなきらびやかな壁の部屋で、ちょうど儀式が行われているところでした。

ちょっと熱いけれど湯はきれい

さて、お待ちかねの入浴タイム。浴槽は男性用の大きなものが屋外と屋内にあり、女性用は屋内の小さなもののみ。露天風呂でないのがちょっと残念ですが、お湯はきれいです。ただしかなり熱く、うめるための水もないので、5分ほど入って出ることにしました。もちろんここでも入浴料などはかかりません。外国人があまり多くない田舎だからかもしれませんが、人が優しくて居心地のいい場所でした。時間がなくて日帰りで訪れましたが、滞在してゆっくり過ごしてみるのもよさそうです。