古くからインドに根付く、体と心に優しい医学

「アーユルヴェーダ」というと、「癒し」や「美容」、「アンチエイジング」といったエステな雰囲気をイメージする人は多いと思いますが、本来のアーユルヴェーダはれっきとした医学の一種。世界でもっとも古い医療とも言われ、長い歴史と深い知識がつまった東洋を代表する医学です。アーユルヴェーダ発祥の地であるインドでは、今でももちろん各地にたくさんのアーユルヴェーダの病院があり、多くの人々の健康をサポートしています。体と心を切り離し、化学薬品や手術でダイレクトに問題を解決する西洋医学に対して、アーユルヴェーダは体と心の密接な関係に注目しながら生活習慣のコントロールや薬草などを用いて根本治療を促す、体への負担の少ない、優しくてナチュラルな医学なのです。

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体質を風と火と水の3つの性質に分ける

アーユルヴェーダは、人間の体質を「ヴァータ(風)」「ピッタ(火)」「カファ(水)」という3つの性質に分けることが基本になります。これらのどの体質が強いのかを脈診などで診断し、それに合わせた生活習慣や薬、時には施術を用いて、長い時間をかけてゆっくりと体質のバランスを整えていくのが本来のアーユルヴェーダ。マッサージのようなトリートメントは、それらの序章でしかないのです。半月や1ヵ月時間があるなら本格的に施術をお願いしてもいいですが、時間がないなら病院で診察を受けてみるだけでもいいと思います。私はインドの中でも医療先進エリアであるプネで、国内外で名医と評判の先生に診察してもらいました。

ドクターの神の手による脈診

まずは問診。私はここでも便秘をうったえます。「じゃあガスもたまってるねー」と先生。はい、その通りです。そして仰向けに寝かせられ、静かに脈をとりながら「プラクリティ(潜在的な体質)はヴァータ2、ピッタ3、カファ1。今はヴァータ3、ピッタ3、カファ1。ヴァータが上がってるね。」と、ぼそり。その後、舌を見られ、聴診器をあてられ、お腹をポンポン叩かれ、膝を触られ、「肝臓も弱ってるね。」。デスクに戻ってサラサラと処方箋を書きながら、「これは食後に2錠、これは……(中略)これらを2ヵ月飲んでみてね。」と簡単に薬の説明してくれて、「あとは、ジャガイモやトマト、ナスは控えるように。」「水分をちゃんととるんだよ。」と生活のアドバイスもしてくれました。

体質が分かれば日本でも効果的な生活を続けることが可能

アーユルヴェーダの薬は日本では手に入りづらいので意味がないのでは……と思うかもしれませんが、自分の体質さえ分かっていれば、それに合った食事や生活習慣は薬がなくても維持でき、症状の改善は充分に期待できます。また、ヨガや瞑想もアーユルヴェーダでは推奨していますが、これらを通して自分の体や心の声にきちんと耳を傾けるのもとても大切。こうして日々の生活から丁寧に体調を整えることで、自然と免疫力が上がり病気を未然に防ぐことができるのです。自分が3つ内のどの体質かを自己診断できるサイトなどもありますが、インドに来たらぜひ本物のお医者さんに自分の本当の体質を診断してもらい、日々の健康管理に役立ててみてくださいね。