インディアン・エアラインズが独占して来た国内線市場

インドでは1953年に民間航空会社を国有化してから1990年代まで、国際線はエア・インディア、国内線はインディアン・エアラインズの2社が独占してきました。しかし経済危機の結果、市場が開放され、1991年にサハラ航空(2000年にエア・サハラに改名)、1993年にはジェットエアウェイズなど、次々と民間航空会社が航空市場に参入するようになりました。とはいえ筆者が初めてインドを訪れた90年代半ばは、まだまだ国内線はインディアン・エアラインズの独占状態で、そのスローモーなサービスや頻繁にダウンするコンピュータシステムにうんざりしたものです。

インド国内線利用法その1  国内線航空会社の栄枯盛衰 インド国内線利用法その1  国内線航空会社の栄枯盛衰

次々に増える、インド国内線民間航空会社

さて、ムンバイを拠点とするジェットエアウェイズは、その後、キャンセルと遅延の少なさや、サービス面での充実もあり、顧客の心をつかんで次々に路線を拡大。2000年代に入る頃には、インド第2の航空会社として、インディアン・エアラインズに匹敵するほどに成長しました。ほかにもいくつもの航空会社が就航を始めましたが、何と言っても話題を集めたのが2005年に就航したキングフィッシャー・エアラインズです。その名の通り、インドを代表するビール会社が運営する航空会社で、そのあか抜けたサービスやそのアメニティに注目が集まり、たちまち人気の航空会社になりました。

各航空会社が戦国時代に突入した2000年代後半

ところが2000年代も後半になると、燃料費のコストの増大や値下げ競争、人件費の高騰もあり、それまで上り調子だった各航空会社は再編を余儀なくされます。エア・サハラは2007年にジェットエアウェイズに買収され、傘下のジェット・ライトに。エア・デカンはキングフィッシャー・エアラインズに吸収されますが、今度はそのキングフィッシャー・エアラインズが経営不振で2012年に全面運航停止になってしまいます。その一方で、徹底してサービスを簡略・有料化させたLCCのスパイス・ジェットやゴー・エア、インディゴなどの新しい航空会社が成功をおさめ、2011年以降は新旧交替の波がインドの航空会社に押し寄せました。とくにLCCであるインディゴの急成長ぶりは特筆すべき物があるでしょう。また、形勢不利になったインディアン・エアラインズは、2011年に国際線を運航するエア・インディアに吸収合併されました。