インド東部にある世界遺産に行ってみよう

2018年4月現在、全部で36の世界遺産があるインド。もちろん世界遺産の数だけが重要ではありませんが、観光の際に一つの目安にはなりますよね。今回紹介するのはその中の一つ、1984年に世界遺産登録された「コナーラクのスーリヤ寺院」です。この寺院遺跡があるのは、インド東部にあるオディシャ州の小さな町、コナーラク。州都ブバネーシュワルから東南のベンガル湾方面に約75km、バスや車なら約2時間、ヒンドゥーの聖地プリーからは約35km、1時間の距離です。オディシャ州の歴史は別記事「インドの穴場? のんびりできるオディシャ州がおすすめ!」でも紹介しているので、そちらもご覧ください。それでは、この寺院が建てられた時代の歴史から紹介しましょう。

寺院自体を、神の馬車に見立てたという珍しい寺院 寺院自体を、神の馬車に見立てたという珍しい寺院

インド東部に栄えた王朝の代表建築

このスーリヤ寺院が建てられたのは、13世紀の東ガンガ朝の時代。5世紀末から15世紀まで長く続いたこの王朝の最後の繁栄期にあたり、デリーに都を置いたイスラームのデリー・スルタン王朝の侵略を、何度も跳ね除けていた頃です。この時期の都はブバネーシュワルで、そこにリンガラージ寺院をはじめとする寺院群、プリーにジャガンナート寺院など、国内に多くの寺院が建立されていました。このスーリヤ寺院もその時期のものですが、規模的には最大で、さらに全盛期の最後の方に建てられたため、オディシャ建築様式の集大成になっているのです。当時の王、ナラシンハデーヴァ王によって、20年の歳月をかけて完成した、オディシャ建築の代表寺院です。それでは建物を見てみましょう。

かつては本堂の上に高い塔がそびえていた

「スーリヤ」はヒンドゥーの太陽神のこと。この寺院はそのスーリヤに捧げられたもので、中世インドに建てられた他の寺院建築同様、高い塔を持つ本殿、その前にある前殿、それを取り囲む祠堂、さらに敷地全体を取り囲む壁などからなっています。本殿ですが、かつてはその上に60〜70mの高さの塔があったと考えられていますが、現在の高さはその半分程度の基礎部分しかありません。これには塔が崩壊したという説と、そもそも塔は完成しなかったという説があります。しかしこの寺院を有名にしているのは大きさではなく、その外壁を彩るおびただしい装飾彫刻でしょう。カジュラホの寺院が有名な男女のミトゥナ像(交合像)もここで見られますし、躍動感あふれる馬の像、そして圧巻とも言えるのが、基壇にある12対、24ある車輪の彫刻です。

寺院は太陽神の巨大な馬車だった

実はこの寺院、全体が太陽神のスーリヤが天空を駆け巡る馬車に見立てられているのです。そういえば、ギリシア神話では太陽神アポロも天空を馬車で移動していましたね。このスーリヤ寺院では、この馬車を動かす7頭の馬も浮き彫りに刻まれています。というユニークな造りのスーリヤ寺院。インドの観光地の中では行く人は少ないですが、機会があったなら、ぜひ足を延ばして、見に行ってみませんか? 空港のあるブバネーシュワルへは、デリーやチェンナイ、ベンガルールなどインド各地から便があります。空港からコナーラクまでは、タクシーなら片道2時間弱なので頑張れば日帰りもできるかも!? でもせっかくなので、ベンガル湾のビーチでのんびりするのもいいですよ。寺院からビーチまでは、たった3kmほどです。