土着の神がヒンドゥーの神さまに

「インド東部オディシャ州のヒンドゥーの聖地、プリー観光地案内」その1からの続きです。プリーでバスが発着する大通りのグランド通りは2kmほど続いているのですが、その一番西の突き当たりにあるのが、プリーの精神的な中心とも言えるジャガンナート寺院です。ジャガンナート神はもともとオディシャ地方の土着の神さまでしたが、いつしかヒンドゥー教に呑み込まれて行き、現在ではヒンドゥー三大神のひとりヴィシュヌの化身、クリシュナと同一視されていきす。

「宇宙の主」と名付けられた神

インドではこのように、各地方の地方神がヒンドゥーの有名な神と同一視されていることが少なくありません。それは大昔からその地にいた土着の神が北からやってきたアーリア人に、政治的にも文化的にも征服されていった歴史なのかもしれません。しかしこのジャガンナート神は次第に格上げされていったのか、このプリーはヒンドゥーの4大聖地の一つとされるようになりまた。「ジャガンナート」は「宇宙の主」という意味です。余談ですが、英語で「止められないほどの強い力」という意味の「ジャガーノート」は、このジャガンナート神から来ています。

寺院の周辺はジャガンナート神のグッズを売るお店も多い 寺院の周辺はジャガンナート神のグッズを売るお店も多い

ユニークな外観をした神さま

さて、このジャガンナート神ですが、その姿がとてもユニークなんですよね。真っ黒で丸い顔に2つの大きな丸い目。三日月のような真っ赤な口。手足がなくて胴体だけとも言われますが、まるでマンガのようなキャラクターです(画像検索して見るといいでしょう)。ジャガンナートの神像は、一体だけで飾られていることもありますが、たいてい兄バララーマと妹スバドラーの兄妹神(これもマンガチックでかわいい)と三体セットで並んでいることが多いです。この3体の神像は、お土産としても売られているので、手に入れて帰る参拝客や旅行者も少なくありません。Tシャツも人気ですよ。

ジャガンナート神を祀るジャガンナート寺院

参拝者が向かうジャガンナート寺院は、このジャガンナート像を御本尊とした、200m四方の境内を持つ寺院で、中央には高さ65mの塔が建ちます。創建は1198年で、当時はこの地は東ガンガ朝が治めていました。ブバネーシュワルの寺院群や、世界遺産のコナーラクのスーリヤ寺院が建てられたのも、この王朝の時代です。それぞれについては、別記事「インドの穴場/オディシャ州のブバネーシュワル観光地案内」、「インド東部にあるオディシャ建築の傑作、コナーラクのスーリヤ寺院」に詳しく述べているので、そちらを参照ください。さて、大通りのグランド通りから寺院に向かって歩いて行くと、寺院に近づくにつれて人々の数が増え、土産物やお供え物を売る店がひしめいてきます。(その3に続く)