神聖な牛も、汚れた豚も食べられない国、インド

ガンディー生誕の地、インドのグジャラート州は、インドの中でもとりわけ禁欲的な生活が強いられる州です。まず、これはインドに共通して言えることですが、ヒンドゥー教により牛肉、イスラム教により豚肉を食べることが禁じられています。そのため、レストランで食べられるのはほとんど鶏肉、ラム肉に限られます。さらに、そもそもベジタリアンの多いグジャラート州でお肉や卵を手に入れるには、それぞれの専門店を見つけなければならず、スーパーでは買うことができません。ロングステイをするとして自炊が必要になった時には食事にいろいろ不便を感じるかもしれません。

インド、飲み屋のない州での禁欲生活 インド、飲み屋のない州での禁欲生活

お酒を手に入れるのもひと苦労!

そしてグジャラート州には禁酒法があって、お酒の製造、販売が全面的に禁止されています。さすが、飲酒を悪徳とする観念を普及させたガンディーの故郷だけはあります。とはいえ、外国人(私たち旅行者)や他州の住民であれば、ホテルなどで特別に販売されているアルコールを購入することができるのでご安心を。ただし、一日に買える量に制限があるうえ、手数料がかかり割高になるので、不便であることに変わりはありません。

どうしてもお酒が飲みたい禁酒州の人々

もちろん、お酒を飲みたいグジャラート州の住人も様々な手段でお酒を手に入れます。まず他州に住む知人に頼み、お酒を持ち込んでもらったり、州内のホテルで買ってもらったりする方法です。州外からの人であれば飲酒が許されているので自由が効くのです。(それでも、外国人を含めておおっぴらに飲んではいけないという雰囲気はありますが。)そして中には、州内にいながら自力でお酒を造るという猛者までいます。しかしながら、自家製の粗悪なお酒で体を壊し、命を落としてしまう人も多いらしいです。

強い信仰心で守られる禁酒法

そこまでしてお酒を飲みたいという人がいるなら、この禁酒法自体を改める必要があるのでは?そういう意見が出そうですが、簡単にはそうはならないようです。なぜなら、グジャラート州にはこの法律を固く守る敬虔な信仰者も一定数存在し、必ずしも禁酒法が煙たがられているわけではないからです。実際、外国人の集いにあるグジャラートの住人が参加した時、勧められたお酒を固く断り、「精神を汚したくない」と言っていました。

荘厳さが日本人にマッチするかも・・・?

そんな彼は毎週末に道路や空き地で行うクリケット(インドにはプロリーグもある野球のようなスポーツ)くらいしか娯楽を持たずに暮らしていました。そのあまりにも無欲な彼からは神々しい印象さえ受けました。禁酒・禁肉食と、グジャラート州で過ごすのはきっと楽ではありませんが、長くいるほど私たち自身も俗っぽさから離れていく感覚を味わえるかもしれません。心を清める修行の旅というつもりで赴いてみれば、案外日本人、特に真面目な人にはしっくりくるところかもしれませんよ。