無料で観られる世界遺産「大チョーラ朝寺院群」

インドの南東端に位置するタミル・ナードゥ州の中部は、南インドを代表するカーヴェリー川が形成するデルタ地帯。ここを中心に栄えたチョーラ朝の3つの寺院が、「大チョーラ朝寺院群」としてユネスコの世界遺産に登録されています。それぞれの寺院は多少距離が離れているので、バスでは一日で観て周るのは難しいかもしれません。タクシーをチャーターし、穀倉地帯でもあるカーヴェリー・デルタの豊かさを堪能しながら、観てまわるのも面白いでしょう。世界遺産ですが無料で観られるのも嬉しいところです。

南インドの世界遺産 その2 大チョーラ朝寺院群 南インドの世界遺産 その2 大チョーラ朝寺院群

一番の見所は巨大なブリハデーシュワラ寺院

タンジャーヴールは9〜13世紀にチョーラ朝の中心として栄えた古都。旧市街から南西に行くと壮大なブリハデーシュワラ寺院が見えてきます。この寺院はチョーラ王ラージャラージャ一世が建立した、ドラヴィダ様式を代表するヒンドゥー寺院。建設当時は世界一の規模を誇る建築物だったといわれ、2010年には建立千年を迎え、華やかに記念イベントが開催されました。本殿の高さは63メートルで、東大寺の大仏殿よりも15メートル以上も高く、頭頂部にはシカラと呼ばれる推定80トンの大きな冠石が置かれています。ご本尊として祀られているのはシヴァ神を象徴する4メートルものリンガ(男根)。本尊と向かい合うように、シヴァ神の乗物であるナンディの像が配置されていますが、これまた高さ約4メートル、重さ25トンでインド第二の大きさを誇るといわれています。このスケールの大きさが、当時のチョーラ朝の繁栄ぶりを現しています。

息子が建設した同名のブリハデーシュワラ寺院

タンジャヴールから北へ約60キロ、クンバーコナム近郊ガンガイコンダチョーラプラムにはタンジャーヴールのものと同名のブリハデーシュワラ寺院があります。これはラージャラージャ一世の息子ラージェンドラ一世が、父が建立したブリハデーシュワラ寺院の建築後、わずか20年で作った同規模の寺院です。そんな短い期間にこのような大規模の寺院を二つも建造するだけの富があったということに驚かされますが、現在の牧歌的な風景からはなかなか想像し難いかもしれません。

彫刻が見事なアイラーヴァティーシュワラ寺院

同じくクンバーコナム近郊のダーラスーラムのアイラーヴァティーシュワラ寺院は小さな町の外れにあり、寺院自体が山車に見立てられています。車輪部分や柱などに細かく彫刻がほどこされ、本堂の壁面には一部壁画も残っているのが見所。他の二つよりは規模も小さく訪れる人も少ないので、南インドの田舎町の風情を楽しみながら、のんびりとチョーラ朝の美術を楽しむのにはぴったりの場所です。