砂漠の中の隊商都市、ジャイサルメール

インド北西部にあるラジャスタン州・その2からの続きです。その他のラープートの都市としては、砂漠をラクダで行くキャメルサファリで有名なジャイサルメールが有名です。これもラージプートのジャーワル・ジャイサル王によって造られた、城郭都市でした。かつてはキャラバンサライが立ち寄る隊商都市として栄えましたが、インドとパキスタンが分離独立したため交易ルートが寸断され、その後衰退してしまいます。しかし現在は、その古い趣を求めて多くの観光客がやってくる、ラジャスタン有数の人気観光地になっています。ランドマークとなるジャイサルメール城塞も、「ラジャスタンの丘陵城塞群」のひとつとして世界遺産に登録されています。

メーワール王国の都、ウダイプル

同じく人気観光地のウダイプルは、メーワール王国の都でした。もともとの都は、崖上に強固な要塞を築いていたチットールガルにありました。他のラージプートの氏族がムガル皇帝に従う中、メーワールの王は誇り高く、戦うことを決意します。メーワールの戦士たちは勇敢に戦いますが、1567年にムガル軍によりチットールガルは落城。王のウダイ・シング2世は約120km離れた場所に新しい都を造りました。これがウダイプルで、町の名は王の名前のウダイから取られたものです。息子のプラタープ・シンもムガル帝国に反抗し続け、奪われた多くの土地を取り戻します。イギリス時代はメーワール藩王国として存続しました。

ウダイプルの王が住んでいたシティパレス。ウダイプルの町の建物は白く塗られており、「白い町」とも言われる ウダイプルの王が住んでいたシティパレス。ウダイプルの町の建物は白く塗られており、「白い町」とも言われる

ウダイプルの見どころとチットールガル

ウダイプルといえば、ピチョーラー湖に浮かぶ美しいホテル、レイクパレスが有名ですよね。この湖は実はウダイ・シング2世が川をせき止めて造った人造湖なんだそうです。市内の見どころには、居城だったシティパレスが博物館として公開されているので、ぜひ入場してください。ラージプート随一の王と呼ばれた者たちの居城だけあり、見応えたっぷりです。また、旧首都だったチットールガルの要塞は、「ラジャスタンの丘陵城塞群」のひとつとして世界遺産に登録されています。こちらは寺院を除きほとんどが廃墟になっていますが、かつての様子は偲ばれます。ウダイプルから日帰りできるので、行ってみましょう。

その他のラジャスタンの町

そのほかにも、デリー近くにあるアルワール藩王国の都アルワールにはシティパレスと要塞があり、デリーから日借り旅行ができます。ジャイプルとアグラの間にあるバラトプルは、かつてイギリス東インド会社軍と激しい攻防戦があったバラトプル藩王国の都でした。ムガル時代にあったブンディー王国の都ブンディーは、町を見下ろすような宮殿が印象的で、小さい町ですが昔の雰囲気が残り、旅行者には人気の場所です。このようにラジャスタン各地には、かつての王国の名残を残す町がたくさん残っています。インドの有名観光地巡りもいいですが、ラジャスタンだけでもじっくり見ると、最低一ヶ月は必要ですよ。かつてのラージプート戦士たちの活躍を頭に描きながら、旅をしてみませんか!