ジャイナ教の塔「名誉の塔」

「インドの世界遺産、チットールガル城塞 その2」からの続きです。さて、このスーラジ・ポルの北200mほどに、「名誉の塔」と呼ばれる石造りの塔が建っています。これは隣にあるジャイナ教寺院に付属する塔で、1301年に建てられた24.5m、6層の塔です。表面にびっしりと細かい浮き彫り装飾がされており、太陽の光の当たり具合で微妙に陰影がつくので、じっくりと見てくださいね。塔の上部には見晴らし台がありますが、塔の中に入ることはできません。

城塞内には2つの塔がある。これは高い方の15世紀の「勝利の塔」 城塞内には2つの塔がある。これは高い方の15世紀の「勝利の塔」

城塞最大の見どころである「勝利の塔」

さて、クンバ・パレスに戻り、今度は丘の南側へ向かってみましょう。600mほど南には、このチットールガル城塞最大の見どころである「勝利の塔」があります。これは戦闘の勝利を記念して王のクンバによって1448年に建てられた37.2m、9層の塔です。先に紹介した「名誉の塔」よりもひとまわり大きく、こちらはヒンドゥー教の神、ヴィシュヌに捧げられています。ここも凹凸が細かい装飾が塔の表面を覆っていて、まるでひとつの芸術品のようです。こちらの塔は中の階段を使って、頂上の展望台に行くことができます。さっそくチャレンジしてみました。階段はすれ違うのがやっとというぐらい狭く、らせん状にぐるぐると回りながら頂上まで登ります。頂上は狭いホールのようになっており、ここからの眺めは格別です。ただし、時間帯によっては観光客でいっぱいで、キツキツのときも。塔の周辺は庭園になっており散策すれば、貯水池の跡や、丘下の眺望も楽しめますよ。

貯水池の中に離宮があるパドミニ・パレス

「勝利の塔」から1kmほど南にある「カルカ・マータ寺院」などを見学しつつ、そこからさらに500mほど南にある「パドミニ・パレス」に行きましょう。宮殿の建物の内側には、緑が多く手入れされている中庭があるほか、舟でしか近づけない小さなパビリオン(離宮)がある貯水池があります。この宮殿の名の「パドミニ」は王妃の名前で、ここには、次のような伝説が残されています。チットールガルの王妃であるパドミニは、有名な美人でした。その噂を聞いたデリーのハルジー朝のスルタンであるアラー・ウッディン・ハルジーは、ぜひパドミニの顔を見てみたいと思い、軍勢を連れてチットールガルにやってきます。ハルジーは義父を暗殺して王位についたやり手というだけでなく、当時インドに侵入したモンゴル軍を何度も破った強者。そして反乱を起こした者の妻子を虐殺したり奴隷にしたりと冷酷非情な君主でもありました。(その4に続く)